大掃除

今年も残り数時間になりました。当院では12月31日に大掃除をしています。職員さんやご家族の方にお願いして、普段はできない場所の掃除をしています。8時から13時まで行いました。当院は、朝6時から環境整備を行うスタッフが出勤し、掃除などの業務に当たっています。ただ、時間の都合上、あるいは放射線やMRI室などは専門スタッフがいる状況でないと危険なこともあるため、なかなかできません。年に2回ほど、大掃除をしていますが、半年で課題であった部分も掃除できました。 建物も含め古くはなっていきますが、少しでもきれいな環境、行き届いた環境で皆様をお迎えできればと思います。 こういった部分も掃除しました。 便座を外して、裏や隙間の掃除をしています。 溝の汚れを落としています。 2024年のカレンダーも準備しました。

2023.12.31

年末の挨拶

2023年も残りわずかです。今年は暖かい日が多いですね。 本年も門松を準備しました。年明けしばらくは設置していますので、よろしければ鑑賞して下さい。 さて、本年度の当院の状況の総括です。院長以外に、10名の応援の先生が来て頂きました。それぞれの先生の専門分野を中心に診察して頂きました。院長が診断に迷う患者様を診察していただいたり、円滑な診療のために初診患者さんを中心に診察をお願いしました。 当院は紹介が多いクリニックです。手術目的の紹介をはじめ、自院では診断に至らない患者様も紹介します。そして、紹介先の先生の意見を添えて再紹介頂くことも多々あります。本年度の当院の紹介状作成件数は約700件でした。クリニックで非常に多い件数と思います。これからも手術した方がよりよくなることが見込まれる患者様には適宜説明をしていきたいと思います。 また、学術に関しては、講演会の講師を15回、学会発表を2回行いました。特に7月に幕張で行われた学会では60分の持ち時間をいただき骨粗しょう症についての講演をしました。活発な質疑応答がありました。9月に行われた骨粗鬆症学会では、自身の発表だけではなく、あるセッションの座長も行いました。論文は日本語ですが2つ掲載されました。一つは依頼原稿で、骨粗しょう症について、特に注射薬について解説しました。もう一つでは、ある骨粗しょう症薬の治療成績について報告しました。来年は2つの論文の掲載が内定しています。 2024年も引き続き頑張ってまいりたいと思います。地域の皆様の健康に寄与できれば幸いです。

2023.12.30

整形外科領域の“がん“について ~AYA世代について~

 前回、整形外科領域の“がん”について話題にしました。未読の方は、よろしければ、前回のブログをご覧ください。今回は、整形外科で扱うがん(=肉腫)について説明をします。整形外科で治療を行うものは骨、軟骨、筋、脂肪、神経などを発生母体とした肉腫です。代表的なものの一つが、骨肉腫です。今回は骨肉腫を中心に説明します。骨肉腫は、医療従事者以外も知っている方は多いと思います。一方で、患者数は非常に少ないです。がん情報サービスによれば、日本国内でこの病気にかかる人は1年間に200人くらいです(https://ganjoho.jp/public/index.html)。骨肉腫は大人に発生することは比較的少なく、多くの患者さんは小学の高学年から高校生くらいに発見されます。骨肉腫の原因は不明です。一部の骨肉腫は遺伝子変異が関係しますが、大半はこの遺伝子変異も関係していません。また、放射線治療をした部位に骨肉腫が発生することもあります。今までに様々な研究が行われていますが、骨肉腫の決定的な原因は同定されていません。原因が不明なのは、骨肉腫に限らず、多くの肉腫、もっと言えば、“がん”の多くも同様に原因が不明です。原因が分かっているものと言えば、肝臓がんは肝炎ウイルス感染、子宮頸がんはヒトパピローマウイルス感染、胃がんはヘリコバクターピロリ感染が重要な起点になることが知られています(全ての肝がん、子宮頸がん、胃がんが感染でなる訳ではありませんし、感染者が全員がんになる訳でもありません)。  骨肉腫の発生部位は膝周りが多いです。最初は運動をして膝の痛みが出て、安静にしておれば改善します。腫れも出ることがあります。次第に痛みが強くなり、安静にしても改善しなくなるようになることが多いです。腫れも徐々にひどくなり、安静にしても引かなくなってきます。おかしいなと思い、医療機関を受診して、診断に至ります。  骨肉腫の治療は、手術と化学療法が主です。手術は患肢温存といって、足の切断せずに腫瘍とその周りの組織を一塊にして切除します。足の切断をする患者さんもいますが、ごく少数です。患肢温存手術の多くの場合は、関節自体が切除されます。そして、歩けるように人工関節という機械を使って、関節を再建します。手術後にスポーツは難しいですが、歩けるようになることがほとんどです。命に関わるのは遠隔転移の制御です。骨肉腫は肺にしばしば遠隔転移をするので、肺の状態確認は欠かせません。治療開始時に画像上、遠隔転移がなくても、画像に映らない転位がある可能性もあるので、化学療法を行います。遠隔転移がある患者さんも化学療法を行います。化学療法は数カ月から1年近くに及び、入院で行うことが多いです(副作用の都合で外来では難しい)。手術方法の改善により、切断術が回避され、手術後の歩行状態が良くなってきました。化学療法の進歩により、生命予後が改善してきています。その一方で、今なお死亡する患者さんも多くいるのも事実です。放射線治療は行う場合もありますが、効果が少ないことが多く、頻度は少ないです。ただ、放射線治療の進歩も目覚ましいものがあり、今後、骨肉腫に対して積極的に粒子線治療が行われる可能性もあります。  骨肉腫は小学の高学年から高校生くらいに発生しやすいと述べました。骨肉以外にも、学生世代に発生する肉腫は多くあります。治療も大切ですが、治療に付随するサポートなど欠かせないです。  15歳~39歳までの患者さんをAYA世代(アヤ世代)と呼びます。AYAとはAdolescent&Young Adult(思春期・若者成人)の略です。がんは様々な世代で発生します。それぞれの世代で、家庭や社会で果たす役割が異なりますので、がんになった場合、それぞれの世代で特有の問題が生じます。AYA世代で言えば、就学、就職・就労、結婚、出産、子育てがある世代です。骨肉腫の患者さんには学生さんが多く、化学療法も数カ月に及ぶために、多くの患者さんで学業に影響が出ます。化学療法は副作用との戦いでもあり、副作用が出ている時に勉強は、とてもできません。また学校の授業のようなことは病院では難しく、十分なサポートが受けられません。友達ともなかなか会えなかったりします。手術後は、スポーツが難しく、同じ世代の人に比べて生活の制限もあります(階段が苦手という子供もいます)。その後の人生の選択肢も制限が出る可能性もあります。学歴や身体能力は就職でも大切ですので、どうしても影響が出たりします。また化学療法の影響で妊娠に影響が出る場合もあります。実際に影響が出るかわからなくても、患者さん自身にとって、心の重荷になっている場合もあります。AYA世代では、こういったことへのケア・支えも重要です。AYA世代のがんでは、特に周囲の方のサポートが大切です。AYA世代のがんを扱う医療機関では、相談窓口を設けている所が多くあります。ただ、相談窓口を利用されるのは、患者さんやご家族です。今回のブログを読んでいただいた皆さんにおかれましても、整形外科のがんやAYA世代のがんについて、理解が深まれば幸いです。 

2023.12.26

マイナンバーカードと健康保険証の確認についてのお願い

2024年秋以降は、マイナンバーカードが健康保険証と一体化される方向です。現在の健康保険証は廃止方向になっています。マイナンバーカードの利用は、利便性を考えると重要とで、医療の効率化、医療費の削減につながることが予想されます。 さて、しばしば報道されていますが、オンラインの資格確認に関して全国でトラブルが発生しています。今回は実際の現場で起こっていることを紹介します。受付で、マイナンバーカードを提出して頂いても本人情報が確認できないことがあります。原因として、読み取り機器の故障、ICチップの破損やカードの汚れ、そして情報が間違っていること(ひも付け誤りなど)などが挙げられます。マイナンバーカードを読み取り時に問題が発生した際、当院の経験では、情報が間違っていることが多い印象です。本人情報が確認できない場合の大半で、当院には過失がありません。当院に限らず、マイナンバーカードを利用する医療機関では、同様のトラブルが発生しており、その際にはオンライン資格確認等のために市役所や協会けんぽなど関係機関に問合せを行います。すぐにお返事がいただけるわけではなく、やり取りの時間はお待ち頂くこともあります。 今回、お願いがあります。現在、当院ではマイナンバーカードと健康保険証を確認させて頂いています。これは、少しでも速やかに、そして確実に保険証の状態を確認するためです。時に、“どうして2つを提出しないといけないのか?”、という趣旨のことを言われる受診者さんがいらっしゃいます。それは事情を知らない方なら、もっともな意見です。また、本人情報が確認できない時に、“時間がかかること”に不満をおっしゃる方もいらっしゃいます。手順通りにして頂いた受診者さんからすれば、待ち時間が生じるわけですから気持ちは理解できます。本ブログを通して、現在の事情をご理解頂きますようにお願いします。現在の問題は、当院では解決のしようのない問題です(というかマイナンバーカードを利用している医療機関が共通の問題を抱えており医療機関側では解決できない問題です)。時にきつい口調でスタッフを叱責される受診者さんもいらっしゃいます。スタッフも人間ですので、できるだけ穏やかにお願いします。また、こういったマイナンバーカード確認に時間を要したり、情報確認できない受診者さんに事情を説明するために、他の受診者さんをお待たせして申し訳ありません。重ねてですが、何卒、事情を理解して頂きますようにお願いいたします。 ご自身のマイナンバーカードの“ひも付け”が正しか確認する方法です。 スマートフォン等で「マイナポータル」アプリ・サイトのトップ画面「注目の情報」にある「最新の健康保険証情報の確認」から確認することができます。

2023.12.21

整形外科領域の“がん“について~“希少がん”に関する市民公開講座のご案内~

“がん”は、死亡原因の上位にあがる深刻な病気です。発生しやすい部位には性差があります。死亡者数で見ると、男性は、①気管・気管支及び肺、②胃、③膵臓が多く、女性は、①気管・気管支及び肺、②膵臓、③結腸の順となります(厚生労働省「人口動態統計」2022年)。一方で、罹患数(新たに診断されること)でみると、2019年の統計で、男性は①前立腺、②胃、③大腸、女性は①乳房、②大腸、③結腸の順になります(がん情報サービス)。つまり、がんの発生者数とがんによる死亡者数は、必ずしも一致しないことを示しています。例えば、死亡者数が男女性共に2位の膵臓がんは、罹患数は少ないものの、死亡者数は多く、予後が悪いということになります。がんの性質、治療方法の進歩(完全切除しやすい、化学療法や放射線療法が効きやすい)などが原因で、罹患数と死亡者数には乖離があります。  では、“がん”とは何でしょうか? 絶対的な定義はありませんが、一般的には、①細胞機能に異常をきたし、細胞が無秩序に増殖する、②周囲の組織に広がり(局所浸潤する)、時に発生した場所と異なる部位に類似した細胞の塊を作る(遠隔転移する)、③最終的に体調が悪くなり死亡に至る、などが挙げられます。  発生者数は少ないのですが、整形外科領域でも“がん”はあります。例えば、骨肉腫、軟骨肉腫などです。整形外科領域の“がん”と言いながら、“肉腫”となるのは何故かという所から説明をします。  “がん“には発生母体があります。その発生母体により、”がん”は分類されます。  肉腫は、発生母体が骨、軟骨、筋、脂肪、神経などであるものです。発生母体の特徴を残しながらも、無秩序に増殖したり、周辺の組織を破壊したり、遠隔転移します。整形外科で扱う、肉腫の頻度は低いものの、肉腫の種類は非常に多く、各疾患に分けると、それぞれが極めて少ない状況です。代表的な肉腫である、骨肉腫は主に小児に発生しますが、三重県内の1年での発生者は数名程度です。どのがんでも、治療の改善のために研究を行うのですが、肉腫は、症例数が少ないという意味で研究が行いにくい分野です。このように、がんの中には、発生頻度が少ないものが多くあります。そういったものを“希少がん”と言います。堅苦しい言い方ですが、定義は、「人口10万人あたり6例未満のがん」となります。“希少がん”ですから、社会でみれば死亡者数は少ないのは事実です。ただ、患者さんや家族の立場からすれば、他の“がん”と何ら変わらず、治療への不安、将来への不安や恐怖を抱えます。治療成績を改善するために研究が行われています。ただ、“希少がん”では、一つの治療機関だけでの研究には、“症例数が少ない”という限界もあることが、大きな問題となります。例えば、5人の患者さんの特徴を調べるより、500人の患者さんの特徴を調べた方が、精度が高くなります。そのため、患者さんの同意の上で、治療を行う医療機関が協力してデータベースを作り、全国的あるいは東海地域など地域での調査研究が行われています。  患者さんや家族の側からみると、“希少がん”は情報が少ないことも問題点の一つとして挙げられます。そのため、“希少がん”の治療をしている医療機関などが、市民講座を開いたりしています。ただ、残念ながら、数は多くないかもしれません。今回、2024年2月10日(土)、三重大学医学部付属病院総合がん治療センターが主催で、“希少がん”のついての市民公開講座が、津リージョンプラザ お城ホールで開催されます。当院に外来応援に来ていただいている先生も講演予定です。  “希少がん”について、今回のブログや市民講座で、皆様にとってより良い生活になれば幸いです。院内に、三重大学附属病院より頂いたチラシがありますので希望の方は、お持ち帰りください。また、別の機会にブログでも整形外科領域の“がん”について触れたいと思います。 

2023.12.14