日本骨粗鬆症学会で発表しました

名古屋市で第23回日本骨粗鬆症学会が開催されています。本日、院長が発表を行いました。当院では様々な薬剤を用いて治療をしていますが、ある薬剤の治療成績についてまとめました。発表ではいくつかの質問を頂きました。ある先生からは、“吐き気の頻度が少ないように思います”、と指摘を頂きました。質問された先生も、個人の感想を話しているので、正しいかわかりません。ただ、今後はそういった副作用をより丁寧に聞こうと思います。  院長は医師になったころから、様々な分野の研究を行ってきました。今まで特に情熱を注いだ分野は腫瘍、人工関節、骨粗しょう症です。この10年は骨粗しょう症に情熱を注ぎました。研究だけではなく、医師向けの講演会だけでも100回以上依頼を受け、骨粗しょう症治療の向上に努めてきました。  当院は骨粗鬆症治療を熱心に行っております。薬剤の治療効果をまとめると、診察の時には気づかない発見をすることもありますし、データをまとめる時に様々な論文を読みますので、そこで学ぶことも多くあります。現在は慢性腎臓病患者さんにおける骨粗しょう症について勉強しています。慢性腎臓病患者さんは骨粗しょう症になりやすいです。慢性腎臓病の骨粗しょう症は、一般の骨粗しょう症とは大きく異なります。簡単にいうと、骨密度の信頼性は低くなり、骨折したことがあるという実績がますます大切になります。また血液検査や尿検査で調べる骨代謝マーカーの重要性が、一般的な骨粗鬆症に比べて更に大切になると言われています。慢性腎臓病でない人は多くおり、全ての人に役立つ情報ではないですが、慢性腎臓病の患者さんは高齢者の5-7%とも言われており、今後、より適切な診断や重症度の評価、そして治療がますます重要となると思います。  明日も学会に参加予定です。また新しいことを学べたらと思います。 

2023.09.30

下肢創傷処置・管理のための講習会を受講しました

整形外科では、足の診察もしばしばしています。外傷、生まれながらの体質に起因して大きくなると発症するもの、使い過ぎに伴う炎症、腫瘍、痛風、関節リウマチなど病気のバリエーションは豊富です。時に、足の血の流れが悪くなることで足が壊疽(組織が腐る)する病気の方を見ます。腎臓が悪くなり人工透析をしている病院に勤務した時や高齢者が多い病院に勤務した時には、整形外科に切断の依頼がありました。切断の手術は、好まないですが、一部の方は激烈な痛みがあり、こういった方は切断することで痛みが緩和するので手術するのも医師として納得できました。ただ、自覚症状のない方は放置しておれば命にかかわることがあるために、切断を勧めて手術をしてきました。患者様からすると、なるべく足を残したいため、より足先に近い側での切断を希望しますが、一般に足の付け根より足の先に近くなるほど血流は悪いため、バイ菌感染を生じやすく、切断部の皮膚が上手く生着しない傾向にあります。1回目の切断で上手くいかない場合、再度、別の部位(初回よりもっと足の付け根側)での切断となります。そのため、どこで妥協点を見出すかが悩ましいところです。 今回の講習では5人の講師の先生が解説をして頂きました。多くのことを習いましたので、全て書くことは難しいですが、要点を列挙すると ①傷の処置について(外科的な治療、塗り薬や創部を覆う素材の使い方、きれいな生物を使用した処置方法) ②重症下肢虚の特徴や予後。ABIという血管年齢の測定は時に当てにならないこと。重症者には、外科的血管バイパス手術(詰まった血管と平行に走る別の血管を作成する手術)、血管内治療(血管内から悪い血管を膨らます)の対応方法があること。 ③手術の有無に関わらずリハビリも大切であること。 ④装具を適宜使用することで、患部に負担をかけないようにして回復を促すこと。 ①~④を合わせてチームとして治療していく必要があること。 でした。今後は講習で学んだ知識も大切にして、難治性の足の潰瘍や感染症の治療に当たりたいと思います。また、外科的血管バイパス手術、血管内治療の対象になる可能性がある患者様は、適宜専門医に紹介する体制をとる必要があると考えました。 当院では、胼胝(タコ)の方の検査や治療もしております。足の潰瘍や胼胝で困る方がいらしたら相談して下さい。皮膚科さんの方が適する場合は皮膚科さんに紹介することもありますことをご理解ください。

2023.09.23

ポケットエコーを導入しました

医療技術は日々、少しずつですが進歩しています。エコーは胸部・腹部・頚部などで発達してきましたが、最近では整形外科領域でも使われてきています。当院ではポータブルタイプのエコーを台導入しました。患者様の状態把握に役立つと考えています。全ての患者様に行う検査ではありません。靭帯損傷(捻挫を含む)、スポーツ障害、腫瘍などの診断や診断の補助に利用します。また、注射する際に、目的とした部位に針が届くように確認するために使用します。

2023.09.18

エイに刺された患者様が来院されました

今回は珍しいケガの紹介です。ブログの記事にする事について患者様から許可を頂きましたので、今回ご紹介させていただきます。  先日、河口近くでエイに刺された方が来院されました。浅瀬を歩いていたところ、エイに刺されたそうです。傷は小さいのですが、出血が止まらず、非常に強く痛がっていました。  ※負傷した時の写真。加工してあります。  様々な生き物による刺し傷、咬み傷があります。全ての特色を知るのは難しいです。本患者様は、局所の所見は小さな傷がある程度でしたが、出血が止まらず、痛みも強いことから毒(化学的な損傷)による症状が強く出ていることが考えられました。エイの生態や、エイによる刺傷の特徴が分からなかったために、すぐに調べました。さらに、鳥羽水族館に電話連絡し、エイによる刺し傷の特徴を教えて頂きました。特に、エイの尾の特徴や、刺された場合に異物が残る可能性があるなどを伺いました。鳥羽水族館の方から丁寧に教えて頂きました。それを踏まえた上で処置しました。  翌日には腫れが強くなり、水疱が出来ていました。その後、水疱が破れてしまい、1週間以内に痛みも随分改善しました。  負傷2日後 負傷1か月後。ほとんど症状は無くなりました。 後で調べましたが、今回の患者様のように、エイによるけがは、浅瀬を歩いている時に生じ るそうです。エイを踏んでしまい刺されることが多いそうです。すり足で音を鳴らすとエイが逃げていくので刺されるリスクは低くなるそうです。  最後になりましたが、鳥羽水族館の皆さま、いろいろ教えて頂きありがとうございました。本当に助かりました。 

2023.08.13

開院6年目に入りました

暑い日が続きますね。開院して6年目になりました。クリニックとして、医師として、いろいろ改善点がありますが、今後もよろしくお願い致します。 お花をいただきました。ありがとうございました。

2023.08.01
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