ディスプレイラックを調整しました

今回は、待合のディスプレイラックについてです。開院前に、様々な業者さんにお世話になりクリニックを建設しました。当院は2018年に開院しました。開院前に準備したことが、随分前のことに感じます。開院し治療をしていると、想定より違っていたことがどうしてもあります。また、開院し時間が経過していくと様々なものが変化していきますので、それに対応するように絶えず改善をしています。特に2019年12月に発生した新型コロナウイルスの流行は、世界中の生活様式を変えました。医療機関も様々な対応をしました。 そういったものに比べると、随分小さな変化ですが、ディスプレイラックに関する悩みを解決するために対応しました。当院は、毎月30冊ほど本を入れ替えています。同じ本も、お子様が手に取る本を中心に破損が目立つようになると、新しいものに購入変更しています。一部の本には、ブックカバーを付けています。ブックカバーを付けると、ディスプレイラックに置いた際に転落することが時々ありました。それを改善するために、バンドを取り付けました。多少、取り出しにくくなりますが、ご協力お願いいたします。 また、先月に続いて、テーマを決めて本を集めてみました。今回のテーマは“”旅です。なかなか旅行に行けない方も多くいらっしゃると思います。これからの旅のため、あるいは、旅の気分を味わうためにいろいろなジャンルの本を集めました。一読いただければ幸いです。 院長一押しの本です。JR東海のCMで使用された景色です。 

2024.10.06

米国骨代謝学会から骨粗しょう症治療の指針に関する論文が一つ発表されました。

秋分の日も過ぎ、気がつけば18時ごろには暗くなりました。また、夜は涼しいという感じから肌寒い日も出てきて随分秋らしくなりました。 さて、今回は骨粗しょう症に関するブログにしたいと思います。最近、読んだ論文の紹介です(Cosman F et al. JBMR 2024,1-13)。American Society for Bone and Mineral Research (略してASBMR、米国骨代謝学会)から骨粗しょう症治療の治療方針に関する論文が発表されました。論文の内容は初めて発表されたものではありませんが、新しいデータなどを踏まえて、過去のものと少し変化しています。他の医療分野も同様ですが、米国の学会の治療指針は世界中に影響を与えます。骨粗しょう症分野についても、ASBMRの指針は、世界中で参考にされます。 この論文では、治療全般について述べられています。論文のタイトルの一部は、“Goal-directed osteoporosis treatment”とありますが、治療目標を決めて(骨折歴のない患者さんは、骨密度YAM70%が一つの目標になりますが、骨折歴がある人は、一生骨折リスクが高いためにゴール設定は困難です)、いかに早期に治療目標に到達するかをテーマに書かれています。論文の中で、重症骨粗しょう症患者さんへの対応が話題の一つになっています。。この数年、重症骨粗しょう症患者さんに対して、できるだけ早く一部の注射製剤を使用することが推奨されています。これは、20-30年前に関節リウマチの分野で起こったことと同じようなことが骨粗しょう症分野でも起こっています。歴史を学ぶことは大切ですので、関節リウマチの治療について、まず紹介します。私が学生だった30年近く前はリウマチ治療の転換時期でした。それまでは、弱い薬から効果を見ながら強い薬に変更していく方法が一般的でした。ただ、この方法では、関節の破壊が進む人が多くいました。その後、リウマトレックスという治療薬を、最初に投与することが、将来の患者さんの状態を以前の治療方法よりも改善する研究報告が出てきたことから、関節リウマチと診断されれば、まず、リウマトレックスという強い薬を投与しようという流れになりました。さらにその後、生物学的製剤など新しい薬が登場し、現在は、関節リウマチと診断されれば、まずリウマトレックス、効果が乏しければ生物学的製剤やJAK阻害薬を投与するという流れになっています。今後、他の方法で、現在の治療成績を上回ることが分かれば、治療方法が変わるかもしれません。 骨粗しょう症治療も、特に重症者に対しては治療方法が変わりつつあります。上述したように、重症と判断される場合、まず、重症骨粗しょう症向けの治療薬を使用しましょうという方向になっています。そうすることで、骨折を強く予防できたり、それに伴う生活水準の低下を防ぐことができると考えられています。最近の論調は、以前よりも増して、まず注射薬という流れです(Anabolic firstと言います)。見方を変えれば、重症骨粗しょう症患者さんに対して、最初の治療薬として内服薬は推奨されにくい状況です。 では、重症骨粗しょう症向けの治療薬は何でしょうか?それは、月に1回医療施設で注射する抗スクレロスチン抗体製剤、毎日自己注射するテリパラチド製剤やアバロパラチド製剤、週2回自己注射するテリパラチド製剤、週1回医療機関で注射するテリパラチド製剤が挙げられます。これらの製剤は、比較的費用も掛かります。また自己注射製剤は、実際にやると簡単なのですが、始めるまでのハードルが高いです。当院では、開院時から重症骨粗しょう症患者さんには、重症骨粗しょう症の患者さん向けの注射製剤を紹介しています。そのため治療方針は変わりません。同時に重症者でない患者さんには、それ以外の薬剤を勧めています。 今回の論文では、骨密度測定の部位についても言及があり、最も大切なのは、大腿骨であることも書かれています。骨密度検査は診断のために行う場合、治療効果判定のために行う場合とあります。現状で骨密度の測定方法は4パターンあります。①腰椎と大腿骨、②手首、③手、④踵です。①の腰椎と大腿骨のセットで測る方法が最も優れることには変わりありません。ただ、腰椎骨密度は背骨の骨折予測に優れるのに対して、大腿骨は大腿骨骨折と背骨以外の骨折予測に優れることから、大腿骨を最も大切な部位としています。骨粗しょう症治療の目的は骨折予防、骨折に伴う生活水準の低下を防ぐことで、そのためには、頻度や骨折時の影響を考えた時に、大腿骨骨折の予防が最重要であることは議論の余地がないと思われます。一方、背骨の骨折が非常に多いこと、大腿骨骨密度と大腿骨骨折の発生がどれ位強固に関係しているかがはっきりしないこともあり腰椎の骨密度測定に意義が少ない訳ではありません。 また、骨折リスクについても述べられています。低骨密度、骨折歴が特に大切なことは、従来から同じです。それ以外に、最近の骨折歴、特に骨折1年以内、あるいは2年以内の骨折リスクが高いことも、強調されています。  Cosman F et al. JBMR 2024,1-13より引用改変 論文に掲載されている図です。65歳より高齢の女性を対象にした研究ですが、背骨は骨折1年以内に14%の人が次の骨折を生じます。骨盤骨折なら12%、という確率になっています。背骨の骨折後に最も生じやすい次の骨折部位は背骨ですが、骨盤の場合は、大腿骨骨折の頻度が多いことが知られており、骨折率が全てではないことに注意していただけたらと思います。 全ての分野で最新の情報を提供するのは難しいですが、できるだけ勉強し、よりよい治療につなげたいと思います。当院は様々な分野の専門医が診察をしておりますので、そちらの先生の力もあわせて治療に当たりたいと思います。

2024.09.29

クリニック入口の絵が秋用に変わりました

昼は相変わらず暑いですが、朝や夜の気温は下がりだし、徐々に秋らしくなってきましたね。6月は最も日照時間が長く(夏至がありますね)、7月は地面の温度が最も高く、そして8月は気温が最も高いと習いました。日照時間が長いことで地面が温められ、1カ月遅れて地面の温度がピークに、地面の温度で空気は温められるので、地面の温度が最高になって1ヵ月後に気温は最高に達するそうです(と、中学受験の理科では習います)。 さて、本日、クリニック入り口(風除室)の絵が変わりました。令和6年6月14日のブログで、同じような内容で報告していますが、今回は秋用の絵に変更になりました。作者は南川先生です。詳細は6月のブログを参考にして下さい。南川先生と打ち合わせをし、四季を彩る作品をお願いすることになりました。今回は秋用の作品です。今回は“おしどり”をテーマに作品を作成して頂きました。南川先生に教えて頂いて、初めて知りましたが、色鮮やかな方がオス、地味な方がメスです。温かみのある作品と感じています。 ブログを書くにあたり、ウィキペディアを見ていると、かなりショックなことがありました。“おしどり夫婦”で、仲が良いのかと思っていたら、実は、“冬ごとに毎年パートナーを替える事が判明している。”とありました。世の中には不思議なこと、不可解なことがありますが、なぜ、こうも違うのだと思ってしまいます。 話が逸れましたが、素晴らしい作品ですので、是非、足を止めてご鑑賞ください。 作品名は 晩秋 です。

2024.09.05

テーマを決めて書籍を集めました(投資編)

暑い日が続きますね。さて、当院では、5種類の新聞と毎月20~30種類の書籍を購入しています。書籍の多くは、週刊誌や月刊誌などの定期刊行物です。それ以外の書籍もあります。書籍に関しては、新たに購入した書籍を並べる時に、それまであったものと取り替えています。また、書庫にしまった古い書籍も、再び並べることもして、ローテーションしています。院内には60-70種類の書籍を陳列し、書籍の内容や配置場所(待合やリハビリ室など)を変更しながら準備しています。書籍の準備には手間などがかかりますが、少しでも待ち時間を快適に過ごしていただくために準備しています。興味は様々ですから、いろいろなジャンルのものを準備しています。 時々、患者さんから、“書籍が充実していてうれしい”、という言葉をいただきます。先日、ある患者さんから、“投資や趣味に関する本”について話がありました。たまたま並べてあった投資に関する本を読んでいただいていました。 話が変わりますが、皆さんは、書籍をどこで購入されますか?20年前は本屋さんだったと思いますが、現在はネットが、その割合を増やしていると思います。院長である私も、本屋さんで購入する機会は少なくなりました。ただ、街の本屋さんが減っていくのは時代の流れとは言え、大きな損失ですので、本屋さんで購入する機会も持つようにしています。本屋さんに行く楽しみの一つは、ネットでは見れないほど多くの書籍を見れることです。ネットで本を選ぶときはオンデマンドに近い方式になり、欲しい本を入力する、あるいはテーマを入力して選びます。一方、本屋さんは多くの本が並んでいて、目に飛び込んできた本を手に取ることもしばしばです。さて、本屋に入ってすぐに目に付く、一番売れ筋または新刊本を置いてある場所を“平台”と言うそうです。それ以外にも、表紙がしっかり見えるように、配置する場所もあります(“面陳”)。本屋さんには、商品を手に取りたくなる工夫がいっぱいあり、ネットショッピングとは異なる楽しさや便利さがあります。  「ある患者さんから、“投資や趣味に関する本”について話がありました。」と先ほど述べましたが、ふと、何かのテーマを決めて、書籍を配置したら楽しいのではないかと考えました。少し前ですが本年3月4日に、日経平均株価が初めて4万円を突破しました。実感のない株価と言いながらも、新NISAなどの投資は活発になっていることが報道されています。そこで、今回、新たに書籍を買い足して、“投資”をテーマとしたに“平台”に似せたコーナーを作ってみました。 テレビなどがあり“平台”での準備は難しいので、まとめて準備しました。*なお、投資は自己責任ですので、よく考えお願いします。  今回の本に関しては、院長自身で読んだものもありますが、読んでいないものが多くあります(思いついて準備したので申し訳ありません)。投資についても素人です。話題になる“新NISA”について少し説明します。間違いがないように書きますが、素人の書いているものです。本格的に投資をする際には、自身でルールの確認をお願いします。  ご存知の通り、日本は高齢化が一段と進み、若者が高齢者を支える年金制度などは、現行制度のままでは持続困難となりつつあり、政府は、“投資”をして将来に備える、という選択肢を提示しました。その一つがNISAや新NISAです。現在は新NISAが主になっています。新NISAでは株や投資信託が大切になります。新NISAでは株や投資信託が投資先になるからです。日本に限らず、世の中には株式会社が多くあります。そして株が売買されています。 税金などは所得などに応じて負担率が変わるものがあります。一般に高所得者が、より高い率で税金を納めることが多く、所得税などはこの典型です。一方、消費税は、どなたも同じ率です。株などで得た利益は、ざっくりと約20%の税金がかかります。これは、利益の多さには変化せず一定です。新NISAは、額の制限はありますが、この税金が免除されています。そういった点では、有利な制度(利益が出やすい制度)です。新NISAは、積み立て投資枠(年間120万)+成長投資枠(年間240万)で構成され1年間では360万円まで投資可能です。また期間を考慮しなければ1800万まで非課税で運用できます。  経済は、短期間で見れば停滞や縮小する場合もありますが、長い年月で見れば拡張を続けます。同時に、金銭の価値は希薄化します。例えば、明治34年の1円の価値は、令和2年でいうと約14万4千円になるそうです(https://invalance.co.jp/invest-031/)。モノの値段が上がるとニュースになりますが、基本的には、モノの値段は上がり続け、金銭の価値が希薄化していきます(例えば初任給も増加していくのも同じようなものです)。例えばスターバックスで500円のコーヒーは30年後に同じ値段で購入できることはありません。そのため、今、持っているお金で購入できるものが10年後には購入できなくなる、ということはしばしば生じます。  繰り返しですが、株などは倒産する会社がありますので、個々の株の趨勢(すうせい)は誰にも予想できません。しかし、世の中にあるすべての株の株価を足した金額は、今後も増加していくと考えられます(経済は長期的に見れば、拡張していきます)。こういった背景のもと、新NISAは成り立っています。新NISAでは、“国の審査を通った上場株式や投資信託等”に投資をする場合、税制の優遇が受けられます。院長に感覚では、株は“ブルーマウンテンコーヒーやキリマンジャロコーヒー”、投資信託は“ブレンドコーヒー”です。 株は投資したその会社に投資結果が大きく依存します。投資したい人は、多くの種類の投資先から、“株”というジャンルを選び、そして“○○株式会社”と選択して、○○株式会社に投資の運命を委ねます。株価が将来どうなるかは結局のところ誰も分かりません。株価は会社の実力を反映している部分もありますし、人気投票という面もあります。一方、投資信託は、プロの人が、様々な株や債券などの商品をバランスよく組み込み、一般の人に買いやすいようにしている商品です(ブレンドコーヒーですです)。例えば、2023年9月は、JR東海の株を購入したくとも、最低150万円以上用意する必要がありました。“卵は一つのカゴに盛るな”という格言がありますが、全てを一つの籠に盛って勝負するのはハイリスクハイリターンになります。ただ、JR東海も購入して、トヨタ自動車、○○工業、△△産業も購入することができる人は資金力がないとできません。それを可能にするのが投資信託です。投資信託では手数料(正確には運用管理費用+信託財産保留額)を支払う必要がありますが、プロが様々な株や債券を購入して、投資信託の商品の趣旨に合うようにブレンドしています。購入しやすいように一口100円みたいに販売します。新NISAで選ばれている商品は、比較的、手数料が安くなっています。 当院に準備している本は素人向けの商品なども書籍には書かれています(販売されている本の多くは、素人向けで、おすすめ商品がかかれていますので、当院に置いてあるものが特別という訳ではないです)。来院されて興味があれば読んでみてください。 投資は長期にすることでメリットが増すことが多いと言われております。若い人により向いていると言われています。投資は自己責任でお願いしたいですが、ブログを読んで人生が少し良い方向に変化すれば幸いです。また、しばらくしたら、他のテーマを設けて本を準備したいと思います。

2024.07.23

慢性的な腰痛に悩む方へ(臨床治験のご案内) 

今回は、三重大学で行われる治験の案内です。整形外科を受診するきっかけとなる代表的な症状の一つが腰痛です。“国民が悩んでいる症状”に関する調査が時々行われており、腰痛は肩こり、頭痛などに並び上位に挙がる症状です。腰痛は病名ではなく症状名です。腰痛の原因は多種多様ですが、多いものは経年的な変化を背景にしています。整形外科では“根本的な治療をしてもらえない”、“痛み止めの処方を受けるだけ”、という声を聞きます。また、そういったことを逆手にとって、“根本的な治療をします”、と謳う施設・医療類似行為・サプリなどの広告もしばしば見ます。当院では、患者さんに事実を説明することを心がけています。  そもそも経年的な変化で生じる病気(腰痛に限らず、高血圧、糖尿病、高脂血症、など多くの高齢になるとかかりやすくなる病気)の根本的な治療は何でしょうか?それは、若返りです。一方、現状では、若返り薬やタイムマシーンはありません。そのため、根本的な治療はできません。それなのに、“根本的な治療をします”、と謳うことは、謳う人が事実を誤認しているか、事実と異なるとわかっていながら患者さんを集めるために大げさな話をしているかのどちらかです。当院では、経年的な変化で生じる病気に根本的な治療はできず、どうしても対症療法になると話しています。このように書くと冷たいと感じるかもしれないですが、“できないこと”を、“できる”ように装って説明する”ことは、知識の少ない患者さんを騙していて真心がないと考えるからです。  腰痛に対しては、薬物治療(炎症を抑える薬剤、神経の損傷を改善する薬剤、神経と神経の接続部の異常を治す薬剤)、装具(コルセットを用いて動きを制限する)、リハビリ、注射、手術などが主な治療になります。手術ですら、症状を改善するための対症療法です。勘違いされている方も多いですが、手術の多くは対症療法です。例えば、胃がんができて胃の切除をしたとします。癌はなくなりますが、胃も切除されています。その結果、元の体とは違うことになり、そういった意味では対症療法になります。  多くの方が望む根本的な治療は、まだまだ先の話ですが、再生医療は徐々に臨床応用されてきています。当院では、PRP療法という再生医療を主に関節の変形に対して行ってきました。また、三重大学整形外科では椎間板にPRP療法を行う治験を行い、良好な成績が出たことで、その後、臨床応用をしています。当院では、以前より椎間板に対するPRP療法の治験に協力してきました。  “治験”を人体実験と勘違いされる人もいます。効果や副作用が全くわからない物質を人に投与することは決してありません。治験は厳しいルールがあります。  以下は、治験に関する厚生労働省のホームページを引用します。  「治験」とは  化学合成や、植物、土壌中の菌、海洋生物などから発見された物質の中から、試験管の中での実験や動物実験により、病気に 効果があり、人に使用しても安全と予測されるものが「くすりの候補」として選ばれます。「くすりの候補」の開発の最終段階では、健康な人や患者さんの協力によって、人での効果と安全性を調べることが必要です。こうして得られた成績を国が審査して、病気の治療に必要で、かつ安全に使っていけると承認されたものが「くすり」となります。  治験は病院で行われます。治験を行う病院は、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」という規則に定められた要件を満足する病院だけが選ばれます。 その要件とは  ・医療設備が充分に整っていること  ・責任を持って治験を実施する医師、看護師、薬剤師等がそろっていること  ・治験の内容を審査する委員会を利用できること  ・緊急の場合には直ちに必要な治療、処置が行えること  (https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu1.htmlより)  以下は、院長の意見です。「くすりの候補」と言っても、治験に入るような最終段階に至っているものの場合、効果や副作用は大方わかっており、最終確認という意味合いが強いです。もちろん、治験の段階で、想定より効果がなかった、あるいは想定より副作用の頻度が多かった、ということはあります。ただ、治験段階になり、未知の強い副作用が出現し人体に強い影響が出るということは考えにくいです。   当院が行っている、“治験に協力”とは、当院で治験をするという意味ではありません。三重大学では治験の条件に合致した患者さんを探しています。ただ、治験に参加する患者さんの条件は一般的に厳しく(治療効果を見るために、病気が少ない方が良い、薬を飲んでいない方が良い、など条件がありますが、一般的には若い人が対象になりやすいです)、三重大学だけで探すのが難しいことがあります(クリニックの方がはるかに多くの該当患者さんがいます)。院長自身が、研究を多くしてきた、あるいはしていることもあり、医学の進歩のために積極的に協力してきました。治験では患者さんを募集している期間があります。その期間内に当院受診された方で、治験の参加条件に合致する方については、三重大学で治験をしていることや、治験の概要を説明し、治験に参加したい方を紹介してきました。  治験に参加する患者さんにとってのメリットは、①医学の進歩に協力できる、②最先端の治療や効果判定・副作用確認のために必要な検査を無料で受けられることが挙げられます(その後、薬として承認された場合は、治験薬を無料でできることはありません)。デメリットとしては、①思ったより効果がなかった、②治験中は決められた時期に定期通院をしないといけない、③決められた検査を受けなければならない、④可能な限り研究データの収集に協力する(データ収集ではプライバシーは守られます。ただ薬の承認データを集めるのも目的の一つですので、研究協力して頂けるのが前提になります)、などがあります。  今回、三重大学整形外科から新しい治験の案内がありました。 概要としては、慢性的な腰痛で悩んでいる人を対象としています。 そういった方で、  ①18~75歳  ②椎間板が1ヵ所だけ悪い  ③腰痛が3カ月以上続いている  などが大きな条件となります。  もし治験に興味がありましたら、当院を受診して下さい。まず、健康保険で腰痛に対する一般的な検査や治療を行います。その中で、治験の募集要項に該当する方で、かつ、治験に興味があれば、説明させて頂きます。最終的に治験参加の意向があれば、三重大学整形外科と相談し、紹介させて頂きます。  最後に、三重大学整形外科から頂いた、チラシを添えます。参考にして下さい。  当院は、質の高い医療を心がけるとともに、医学の進歩にも協力するという社会的な使命をもって運営しております。今回は触れませんでしたが、当院独自の研究についてもご協力をお願いすることもあります(当院で行う研究は、薬剤の使用効果などの観察研究が主です)。よろしくお願い致します。 

2024.07.03
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