雪と転倒、骨折

1月25日は10年に一度とも言われる寒波でした。気象庁の発表によると、25日は桑名市の最低気温マイナス4.0度、最高気温0.6度で、平均気温はマイナス2.3度でした。雪もずいぶん降りました。当院は、桑名市の西寄りにあり、数㎝の積雪になりました。また、菰野町や藤原町などは、報道や患者様から伺うと随分な積雪だったそうです。 当院では25日早朝から雪かきを行いました。午前6時前には始まりましたが、午前6時にも関わらず、出勤のためかクリニック東側の道路は渋滞になっておりました。 1月25日朝の窓ガラスです。なかなか見られないのですが雪の結晶がきれいですね。 1月26日の様子です。25日の日中に雪はある程度溶けましたが、溶けた水が凍結しました。 雪になると、転倒し骨折する人が増えます。雪が降ると手首の骨折が増えます。今回の雪でも手首の骨折の方が来院されました。ここからは、医学の話になります。昨年、2022 FIFA ワールドカップでは、素晴らしいプレーが見られ、観戦された方は多いのではと思います。サッカーの試合では、しばしば転倒する選手がいます。1試合にのべ何回くらい転倒するのかわかりませんが、1試合戦って転倒をしていない選手の方が少ないのではと思います。転倒する選手は、大抵は手をついてダーメージを少なくしようとします。試合中に骨折して運ばれていく選手はほとんど見ません。先程、雪が降ると手首の骨折が増えると述べました。さらに情報を追加すると、雪の日に転倒して手首の骨折をされる方の大半は女性で、50代、60代が中心です。明らかな性別差や年齢に偏りがあります。雪の日になると50代や60代の女性に不幸が起こるわけではなく、平時でも手首の骨折をされる人は、同性代の女性が多いです。ただ、70代の方は雪の日には外出する頻度が少ないためだと思いますが、平時よりは雪の日の骨折は少ない印象です。 手首の骨折は、“(骨粗しょう症の)お知らせ骨折”とも呼ばれています。初めて骨折する部位として有名です。因みに初回の骨折部位として多いのは、肋骨や足首も挙げられます。これらは比較的早い時期から骨折リスクが高まります。手首については、論文でも、わざわざ50-60歳代に好発すると書かれています。手首の骨折は、一般の方や医療関係者も誤解している方が多いので特徴を書きます。まず、手首の骨折の方は、自分自身はすごい勢いで転倒したために骨折したと考えがちです。しかし、現実的に、サッカーの試合中に勢いよく転倒した選手が骨折することは非常に少なく、骨折する人の多くは女性で50-70歳代であるとの特徴があります。誤解しやすい点に“骨密度が高値の人が多い”ことも挙げられます。Treatment gap(治療すべき人と実際に治療している人の差)という言葉があります。手首の骨折でしばしば指摘されています。転倒して手首の骨折をした場合、他の病気から骨が弱くなっているなど特殊のケースを除いて、“転倒して手首の骨折”という事実で、次の骨折予防のために骨粗しょう症治療をしましょうとなっています。その一方、骨密度を測定して高値になると、その他の評価を忘れてしまうことが多くあります。これは世界中で見られる状態のようで、国際的に権威あるKanis先生の論文でも指摘されています(Kanis JA et al. Osteoporosis Int 2023 34:1-9)。また股関節周囲、背骨、手首の骨折を生じている人は、他部位の骨折確率が高いことが分かっており、Red flag(危険信号)であるとも言われています(Leboff M.S et al. Osteoporosis Int 2022 33:2049-2102)。 当院では、手首の骨折の方には特に骨粗しょう症治療を勧めていますが、ご自身の転倒は“たまたま”と思われる方が多く、治療に至らない方も多くいます。また他の先生に相談して、骨密度が高いから大丈夫と言われる方も、何人もいらっしゃいました。その方が骨折しなければいいのですが、骨折リスクの高い人(その代表が骨折したことがある人です)に対して、治療を行うのは医療経済的には、医療費の削減にもつながるという趣旨の研究結果は過去に多くあります。もし、手首の骨折をした方で、無治療の方がおれば治療を検討して下さい。ただ、小児の方は治療対象外です。 最後になりますが、お願いがあります。平時より当院並びにモール駐車場を通り抜け目的に利用される方がいらっしゃいます。積雪のある日は、暗い時間から雪かきをしています。雪かき中は、職員は周辺を見る余裕もなく、視界も悪く、また平時でいう通行路も作業をしています。通り抜けする車があることを想定していません。雪の日に通り抜けをされますと、通り抜けするドライバーもまさか人がいるとも思わず、雪かき中の職員と事故の可能性が高く危険です。駐車場は道路ではなく私有地であることも併せてご理解いただき、どうぞおやめになってください。

2023.01.31

新年の挨拶

新年、おめでとうございます。本年も、皆さまにとって良い時間が過ごせることを祈っております。旧年には様々なことがありました。前年から続くコロナウイルス感染の流行、北京冬季五輪、ロシアによるウクライナ侵攻、安倍元総理への襲撃事件、そして2022FIFAワールドカップなどが印象的に残っています。ロシアによるウクライナ侵攻や安倍元総理への襲撃事件は、こんなことが起きても良いものだろうかと憤りを感じてしまいます。 ロシアによるウクライナ侵攻は、人道的にも大きな問題です。また、経済面から見ても、ウクライナ侵攻は、局所の問題にとどまらず、例えばエネルギーや食物、それをきっかけにした幅広い物の値上げに繋がりました。日本から8000kmも離れたウクライナという国の出来事が、近くの国や地域だけではなく、日本にも大きな影響が出る、世界は繋がっていることを改めて強く認識されられるきっかけになりました。15年ほど前、私の恩師の先生にインターネットを通じて世界と繋がっていると教えて頂きました。論文を読んだり、論文を発表したり、海外で発表したりすることを勧められ、指導をして頂きました。その習慣は現在も続いています。様々な研究から、新しい知見が発見され続けています。本年も、多くの論文などから情報を収集して診療に役立てたいと思います。何卒よろしくお願い致します。 さて、当院では毎年、門松を飾っています。門松は左右一対で、雄松と雌松があるようです。 玄関前にある雄松の方の門松です

2023.01.02

ルービックキューブ

2022.7.4にブログで書きましたルービックキューブについてです。待ち時間に利用していただいている方もいらっしゃいます。ありがとうございます。一度面が崩れると、なかなか完成できませんが、ふいに完成した状態で戻していただけることがあります。先日、久々に完成された方がいました。今回、完成した方は、小学3年生の児童でした。どうして完成できるのか質問したところ、YouTube®をみて上達したそうです。この児童のお兄さんも上手だそうです。ルービックキューブはやり方にある程度、“型”があります。実は私も、YouTube®などを見ましたが、マスターできていません。 ルービックキューブを通して、新しい会話や頭の体操になればと思います。それにしてもルービックキューブというものを考えた人が凄いですよね。

2022.11.25

乳癌と骨粗しょう症をテーマにした勉強会に参加しました

院長である私は、年に20回程度、依頼を受けて講演をしています。主に骨粗しょう症についてです。整形外科や内科の先生や医療スタッフを対象に骨粗しょう症の診断や治療方法などについて説明しています。依頼して頂く際に、メーカーから参加者の概要や講演会の趣旨を伺い、内容を変更しています。今回は乳がん治療に取り組む先生方、整形外科の先生、薬剤師さん、その他医療スタッフさんを対象に勉強会がありました。 乳癌と骨粗しょう症どのように関係があるの?と思うかもしれません。乳癌の多くは、エストロゲンという女性ホルモンが、進行に関係しています。こういった乳癌のことをエストロゲン受容体陽性乳癌(ER陽性乳癌)といいます。ER陽性乳癌では、エストロゲンの働きを弱めることで乳癌の治療を行います。エストロゲンの働きが弱まることは、乳癌には良い効果がありますがその一方、エストロゲンは骨の強度を維持するために必要なものですので骨粗しょう症が進みやすくなります。そのため、ER陽性乳癌では骨粗しょう症へのケアも大切になります。私自身は乳癌の専門家ではないので乳癌治療はわかりませんが、今回の講演会を通して乳癌について少し学びました。最近はER陽性乳癌が増加しているそうです。私からは骨粗しょう症の診断には骨密度値だけではなく、骨折歴やその他いろいろな要因を評価することが大切であることを説明しました。ブログでも再三述べているのですが、骨密度検査は骨折のしやすさを予想する一つの方でしかありません。将来骨折しやすいかどうかを予想する際に、今までに骨折を経験したかどうかは極めて大切な情報です。1回骨折した人は1回も骨折していない人より明らかに骨折しやすいことがわかっています。また①2回骨折した人は1回の骨折の方より、②3回骨折した人は2回の骨折した人より、③4回骨折した人は3回の骨折した人より骨折しやすいです。同じ人に骨折が集中することを“骨折のドミノ“、”骨折の連鎖“と呼びます。 私の講演後に、乳癌の専門医で骨粗しょう症にも精通している四日市市の総合病院の先生が講演をされました。様々な内容について丁寧に解説して頂きました。その中で、アロマターゼ阻害剤(AI)投与に伴い骨密度が低下していくことや、評価を行い適切に骨粗しょう症の治療を始めていくことの大切さを解説されていました。 コロナ禍で、大勢の人が集まる講演会は非常に少ないのが現実です。今回の講演会もWebでの配信でした。乳癌患者さんの骨粗しょう症ケアは重要であることが再認識できました。また乳癌患者さんの骨粗しょう症ケアを総合病院で行うことに限界があることも分かりました。当院では乳癌の特徴も踏まえつつ、今後も基幹病院と連携して骨粗しょう症治療に当たれればと思います。乳癌の方(過去に乳癌治療をした方も含みます)で、骨粗しょう症の評価を受けていない方は一度、検査を受けてみるのも良いと思います。

2022.11.19

桑名市のコミュニティバス(のるーとバス)のバス停が再設置されました

桑名市のコミニティバス(のるーとバス)のバス停が当院に再度設置されました。このバスは予約型乗合バスサービスであるオンデマンドバスです。前回は令和4年1月31日~3月4日までの約1ヵ月の実証実験でした。今回は運賃有償で前回より長期に渡る期間での効果をみることを目的とした実証実験です。今回は12月1日から令和5年3月7日までを予定しています。前回の実証実験での“にいみ整形外科前”の乗車数は92人でした。バス停の中では非常に多い所でした。ご利用ありがとうございました。なお、1位はイオンモール桑名、2位はメガドンキユニー星川店に設置されたバス停でそれぞれ、300人台、200人台でした。それ以外のバス停では100人以上の利用者がいませんでした。 詳細は、桑名市のホームページに案内されています(下記に案内があります)。“にいみ整形外科前”バス停は、当院敷地内に設置されたバス停ですが、当院受診者以外の方も利用できます。例えば、隣のおもと皮フ科さんへ行きたい人も利用できますし、近くのコンビニに行きたい方もバス停を利用できます。 オンデマンドバスは、巡回バスと異なり、希望するバス停同士をつなぐシステムで運用されます。例えば、私がドン・キホーテ近くの回転寿司に行きたい場合、“にいみ整形外科前”から“ドン・キホーテに設置されたバス停”まで行きたいと、予約します。予約時間になるとバスが来ますので、そこで乗車し、“ドン・キホーテに設置されたバス停”で降車し、徒歩で回転寿司まで徒歩で行くという感じになります。 今回は有償で運行されます。大人は300円です。オンデマンドバスは誰もが目的地まで便利で安全に移動できることと、運行の効率性を考えて作られたものです。今後、オンデマンドバスがどのように運用されるのかは、実証実験を経て決まっていくと思います。制度ですので、仮に運用された後でも変化していくと思いますが、将来の生活にも関わってくることですので興味のある方は利用されてみてはと思います。 桑名市役所ホームページ https://www.city.kuwana.lg.jp/maas/kurashi/koutsuu/1-88222.html にいみ整形外科前はバス停番号55です。よろしければご利用ください。

2022.11.12
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