大雪

今年は、暖かい冬で、比較的過ごしやすかったと思います。送迎車は年末にスタッドレスタイヤに交換し雪に備えていました。このまま雪がない冬なのかと、なんとなく思っていましたが、1/24~25に大雪になりました。開院して6年目ですが、毎年、雪が積もりますね。 例年、雪かきをしていましたが、体力的なこともあり、今回は、駐車場に融雪剤(塩化カルシウム)を使用しました。皆さんは融雪剤をまくと、なぜ雪が溶けたり、路面が凍らないか知っていますか? 融雪剤にはいくつかの種類があります。メジャーなのが、今回使用した塩化カルシウムを主な成分としたものです。塩化カルシウムは水に溶けやすい性質があります。化学の話になりますが、塩化カルシウムは水に溶けると、Ca2+とCl-に分かれます。この際に熱(=エネルギー)を放出します(溶解熱といいます)。逆に、塩化カルシウム水溶液から塩化カルシウムを取り出すためには熱する必要があります(熱=エネルギーを与える)。このため、塩化カルシウムを撒き、絵雪が溶け、塩化カルシウム水溶液が作られる過程で熱を生じ、雪を溶かします。地面に撒いた塩化カルシウムが水に溶けると(この場合は雪ですね)、発熱してさらに雪をつかすという循環が生じます。ただ、注意点は、雪に触れるだけでは、塩化カルシウムは溶けません。そのため、溶かす水が最初に必要になります。水の用意の仕方は二つです。一つは水を汲んできて準備をする方法です。ただ、道路や駐車場で使用するときにバケツに入れた水を運ぶなどは現実的ではありません。では、どうすればいいでしょうか?それは、踏むことです。雪は氷と同じ個体です。氷は強い圧力を受けると水にかわる性質があります。そのため、雪を踏むと水にかわります(体重や温度によっても変わります)。よく車が通る道路の方が、雪が溶けやすいのは、タイヤの圧力、車の熱、ブレーキ時の発熱などが関係しているとされています。 そのため、塩化カルシウムが融雪の効果を発揮するのは、車が通った後や、暖かくなり雪が溶けだした後になります。 また、塩化カルシウム水溶液ができると、氷が作られなくにくくなります。これは小学校の理科で習う現象で、食塩水(小学校では食塩水が定番のような気がします)は、水が氷る温度(凝固点と言います)が低下します(このような現象を凝固点降下と言います)。つまり氷ができにくくなります。そのため塩化カルシウムには、凍結防止効果も期待できます。 なお塩化カルシウム水溶液には注意点があります。それは車やコンクリートの傷みです。塩化カルシウムは危険なものではありません。塩化カルシウムは食品添加物としても使用されていてビール、清涼飲料水等での硬度調整、豆腐製造での「にがり」が代表的な例です。 小学校から高校まで理科や化学を習いました。当時は自分の生活にどのように役に立つかなどを考えることもなく、受験のために勉強していた気がします。子供が中学受験をするときに理科を一緒に勉強しました。大人になって勉強(学ぶ)をすると、こんなに大切なことを習っていたのかと感動したことを覚えています。今回の記事は、その子供に下書きをしてもらいました。 最後に中学受験の勉強で習ったことを2つ紹介します。 ①イモリとヤモリ イモリは井守と書きます。井戸を守ると覚えました。ヤモリは家守と書きます。家を守り、外虫などを食べるそうです。イモリは水近くにいるので両生類です。ヤモリは家の中にいるので爬虫類です。両生類と爬虫類には様々な違いがあります。両生類は魚類から住むところを陸地に移動する過程で、爬虫類は陸地に移動した脊椎動物です。両生類は水辺に卵を産むので、卵に殻はありません。爬虫類は、陸地に卵を産むために、水分を保持するため(乾燥に耐えるため)、重力で変形しにくいよう殻が必要になっています。 ②テントウ虫 テントウ虫は漢字で書くと天道虫です。枝などの先端に立って行き場がなくなると上に飛び立つ習性があるそうです。棒を立て、天道虫を棒に乗せると上方向に移動するそうです。 中学受験の理科では、書ききれないほど、いろいろなこと学びました。進化の過程はイレギュラーなものなども多くありますが、特に面白い分野の一つです。ただ、ポケモンゲームをしていた際に、コイキングがギャルドルに進化することを知った時の驚きは、脊椎動物の進化の歴史を学んだ時より、はるかに衝撃的でした。 クリニック南側です。工事時期が異なり、使用したアスファルトも異なります。同じような場所なのに、雪の積もり方が明確に異なります。不思議です。 フェンス左は皮フ科さんです。右が当院です。いつもそうですが、皮フ科さんの駐車場には積雪が少ないです。そのため、いつも、うらやましく見ています。積雪量が異なるの理由が、皮フ科さんの方が、地温が高いためなのか、建物の配置で雪が降りにくいのか不思議に見ています。今後、泌尿器科さん南に眼科さんが開業予定ですので、眼科さんの建物が建つと、当院も何か変わるのか(積雪が少なくなるのか)楽しみです。

2024.01.25

重症骨粗しょう症向けの治療薬イベニティ®の使用状況について

重症骨粗しょう症者向けの治療薬の一つに、イベニティ®という注射剤があります。この薬は月に1回、両腕に1本ずつ注射します。12回の治療で1クールは終了で、その後は、ほかの薬剤で継続治療をします。時々、継続治療を嫌がられる方もいますが、薬の治療は一生続くわけではないので、何らかの薬剤で治療した方が良いです。 イベニティ®は、2019年3月に世界で初めて日本で使用が開始されました。実臨床でも発売前の多くの臨床試験と同じく、優れた骨密度増加効果が報告されています。院長の実感として、本当に、すごい骨密度増加効果です。当院でも重症骨粗しょう症患者さんに使用しました。今週で当院でのイベニティ®の通算使用実績が2,000本になりました。病院ですとはるかに多くの使用実績があると思いますが、クリニックでは全国的に見ても多い方だと思います。三重県内のクリニックでは、恐らく最も多く使用していると思います。当院は骨粗しょう症治療を熱心にしていますので、重症骨粗しょう症患者さんも多くいます。イベニティ®以外の重症骨粗しょう症治療薬も軽症者向けの内服薬も、三重県内で最も多く使用しているクリニックだと思います。イベニティ®で、どれだけの骨折が予防できたのか知る方法はないですが、きっと多くの骨折が予防できたのだろうと思っています。 今までに何度もお話しましたが、重症骨粗しょう症の患者さんは以下のような人が該当します。 ・2ヵ所以上の骨折をしたことがある人(特に、手首、背骨、大腿骨) ・背骨の骨折の場合、潰れ方がひどい人 ・骨折を1ヵ所していて、骨密度が若い人の平均に比べて65%未満の人 ・骨密度が若い人の平均に比べて60%未満の人 骨密度検査には注意点があります。骨密度検査を受けて自身の骨密度が、若い人の平均に比べて120%など、高値になり喜ばれる方がいます。骨密度検査は、評価にコツが要ります。骨密度を測定する世代の方が(検査を受ける方は50歳以降の方が多いと思います)、若い人より元気な数値が出ている段階で、何かおかしいのでは?と思う考え方が大切です。例えば、50歳を過ぎて、若い人より肌がきれい、若い人より早く走れる、残念ながらそういったことは生じないと思います。このことは理解して頂けると思います。それと同じように、骨だけが年をとっても若い人より元気なんて考えにくいことです。骨密度が異常に高い人には、測定している骨に変形があったりして、骨密度が見かけ上、高く見えているだけです。例えば、腰椎で骨密度を測定した場合、腰椎の変形、腰椎近くにある大動脈に異常があることが多いです。また腰椎が骨折するとかえって骨密度は高くなるというおかしな現象が生じます。骨がつぶれると骨密度が高くなります。パンをつぶすと固くなるのと同じ原理です。 骨密度検査は大切な検査ですが、骨折の実績の方が将来の骨折予測に大切です。骨粗しょう症治療のマニュアルにも、まず、“背骨の骨折か大腿骨の骨折をしたことがあるか”、次に、“手首などほかの部位が転倒などで骨折をしたことがあるか”、その次に、骨密度を評価するという順番になっています。このことからも、骨折の実績>骨密度 という重要さの順番があることがわかります。 骨粗鬆症治療の薬物治療開始基準 当院では、問診、背骨のレントゲン、骨密度検査度を行い、それぞれの方の骨の状態をできるだけ正確に評価します。もし、希望の方がいらしたらご相談下さい。

2024.01.21

休日診療をしました

本日は寒く、当院では今シーズン初めての雪が舞いました。同じ桑名市内でも、雪が降らなかった地域もあったようです。例年、桑名駅のある桑名東側の降雪量と当院のある桑名西側の降雪量には差があることが多く、数㎞違うだけで環境が違うものだと認識させられます。東側は川があり、住宅地域なので暖かく、東側は遠いですが山に近くなってくることも関係するのかもしれないですね。  朝7時頃の様子です。雪が少しフロントガラスに積もっています。 建物や駐車場には雪は積もっていません。 寒い日には、待たれる方のためにひざ掛けを準備しています。どうぞご利用ください。   さて、今日は休日診療をしました。年末年始の影響で、診察が混雑している時間があります。少しでも緩和するために診療をしました。応援の先生と2診体制で診察をしました。待ち時間も少なく、円滑に終わりました。時に、休日診療をすることもあります。ホームページや院内に告知しますので、希望があれば予約などの時にお申し出下さい。 

2024.01.08

新年のあいさつと、日本酒バー「一夜ノ小道」の紹介

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。 さて、本年1回目のブログは変わった話題です。今回は、新規開業する、日本酒バーのお店の紹介です。ブログでこういった話題を一切してきませんでしたが、今回紹介する理由は、店主が、院長の同期で整形外科医だからです。 店主は、岡村先生で、現在も桑名市の総合病院で膝や股関節、外傷などを治療している先生です。当院から多くの患者さんを紹介させて頂いていますが、患者様からの評判もすごく良い先生です。岡村先生は、日本酒バーのお店を開くのが夢の一つだったそうです。今回、医療相談もできる(医療行為はしません)日本酒バーをコンセプトにオープンするそうです。お店の名前は、「一夜ノ小道」です。令和6年1月6日がオープンで、オープン日は15時から営業開始です。 <通常営業日時> 水・木・金曜日 19時~23時 土曜日     17時~23時 医療相談が気軽にできる場は、中々ないと思います。腰や首の痛みや痺れ、肩の痛み、膝や股関節の痛みなどお困りのことがあれば、お酒を飲みながら相談していただければと思います。同級生として、飲食の世界に飛び込むことを聞き驚きましたが、上手くいくことを願っています。 お店の紹介をします。 場所は近鉄阿倉川駅西側です。道を挟んでお店はあります。 奥にお店があります。阿倉川駅から1分です。看板が設置され、お店が認識しやすくなるそうです。隠れ家的な感じですね。 入り口です。再度ですが、お店の名前は、「一夜ノ小道」です。 10月ごろから店の内装など、本格的な準備をしてきたそうです。 お酒屋さんと契約し、厳選してお酒を置いてあるそうです。それでもすごい種類です。 店内には学会発表で使用したポスターもありました。医療用品も展示してあります。整形外科医には見慣れたものですが、一般の方には医療機器を見ることは新鮮に映ると思います。 席はカウンターに6席、座敷が1テーブルで多くの人が入ることはできません。その分、店主である岡村先生と話しやすいと思います。お酒好きな方は、また医療相談がしたい方は一度訪れてみてはと思います。院長は3月ごろにお店に伺う予定です。 参考までに、近鉄名古屋線、阿倉川駅の時刻表を紹介します。 名古屋方面です。平日も土日も最終は同じです。 伊勢中川方面です。平日も土日も最終は同じです。

2024.01.03

大掃除

今年も残り数時間になりました。当院では12月31日に大掃除をしています。職員さんやご家族の方にお願いして、普段はできない場所の掃除をしています。8時から13時まで行いました。当院は、朝6時から環境整備を行うスタッフが出勤し、掃除などの業務に当たっています。ただ、時間の都合上、あるいは放射線やMRI室などは専門スタッフがいる状況でないと危険なこともあるため、なかなかできません。年に2回ほど、大掃除をしていますが、半年で課題であった部分も掃除できました。 建物も含め古くはなっていきますが、少しでもきれいな環境、行き届いた環境で皆様をお迎えできればと思います。 こういった部分も掃除しました。 便座を外して、裏や隙間の掃除をしています。 溝の汚れを落としています。 2024年のカレンダーも準備しました。

2023.12.31
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