骨粗しょう症は進行するとちょっとしたことで骨折しやすくなりますが、骨折しなければ無症状の病気です。
そのため、骨折して初めて骨粗しょう症とわかる人が非常に多いことが問題となっています。
骨粗しょう症の人の割合は年齢が高くなるにつれ急激に増加します。
女性の場合、生理に変調をきたす時期から骨が弱くなります。
このため更年期以降の多くの女性にとって、骨粗しょう症は身近な病気です。
身長が低くなった人では、背骨の骨折が生じている場合が多くみられます。
発生件数が多い背骨の骨折は、その3分の2が無症状です。
無症状の骨折があるかどうかはレントゲン写真で判断できます。
骨粗しょう症治療薬は目覚しい進歩を遂げています。
この10年間に新薬が次々に登場しました。
従来からあった薬も投与間隔や投与方法が違うものが発売され、多くの選択肢ができました。例えば、毎日内服する必要があった薬が、今では1年に1回の点滴で治療可能となりました。
医療を提供する医療者からすると、薬の選択が複雑になり難しくなったともいえますが、当院の院長はこの数年で登場した薬の大半について臨床研究を行い、治療効果などを熟知しています。
内服薬では起床時に使用します。食べ物を食べると効果が減弱します。また内服後に横になると食道炎を起こします。円背の方には食道炎が起こしやすく注意が要ります。注射製剤も多く発売されています。
毎日1回食後に内服します。骨密度はあまりあがりませんが、骨がしなやかになることで骨折を予防します。
現在、背骨の骨折予防には最強のお薬です。自分で毎日注射するタイプ(簡単です)・週1回クリニックで注射するタイプがあります。
6ヶ月に1回の注射と毎日の内服を組み合わせた治療です。骨密度が増加しにくい太ももの部分でも骨密度が上がります。
骨のしなりを良くして骨折を予防します。SERM製剤と同様に骨密度はあまりあがりません。
2019年に使用可能になりました。発売前に行われた研究では、骨密度の増加や骨折予防の効果に関して良い成績が証明されています。月に1回の注射です。
代表的な整形外科の病気・けがについて紹介します。ここでは、
①首・腰(背骨)の痛み ②肩の痛み ③ひざの痛み
3つの痛みについて紹介します。
最初にお断りしたいのは、痛みの原因は多様です。そのため、以下の内容は参考にするに留めて下さい。
整形外科を受診して、正確な診断を受けてください。
原因は4つに大別されます。
背骨は首から腰まで小さな骨がつながって出来ています。背骨には筋肉がくっつきます。小さな骨同士は関節や椎間板で連結されています。筋肉、関節や椎間板は程よく動きながら骨同士がぐらつかないようにバランスを取っています。
老化や体質など、様々な原因が重なって痛みが生じます。代表的な状態が脊柱間狭 窄症や椎間板ヘルニアです。これらの病気は若返りの薬が出ない限りは、なかなか元に戻りません。出来るだけ快適に過ごせるようにすることが治療方針になります。多くの方は手術以外の方法を希望されます。近年登場した様々なお薬を効果的に使用しながら極力手術を避けて治療します。しかし、手術のタイミングを逸すると大きな障害が残ることもありますので、力が入らなくなった、ほとんど立っておれないなどの症状があれば手術を勧めるタイミングです。
よく手術をすると寝たきりになるからしたくないと言われます。寝たきりになるために手術を行う医師はいないですから過度な心配はしないでください。
腰痛の原因は「筋肉や骨・関節の異常」だけじゃない? 腰痛といえば、椎間板ヘルニアなどレントゲン検査で原因が特定しやすい「筋肉や骨・関節の異常」のせいだと思われがちですが、実は原因は様々。「痛みを抑える神経の機能減弱」「内臓の異常」など多岐にわたります。
腰痛はストレスなどにより症状が悪化する場合もあります。
気になる症状がある場合は医師にご相談ください。
また、腰痛が重大な病気のサインになっている場合があります。
感染症や腫瘍・がん、泌尿器や消化器などの内臓の病気、関節リウマチなどの病気が腰痛を引き起こすこともあり、腰痛で受診したら予想もしない病気が見つかったというケースも少なくありません。腰痛の原因が内臓由来を疑われた時は内科等を紹介させて頂いております。
肩は骨と骨で作られる関節面積は比較的小さく、筋肉や腱、腱板など他の構造物が複雑に絡み合って構成されている関節です。肩の痛みの大半は、老化に伴い各所が劣化して生じるもの、スポーツなどによる障害、何らかの理由で炎症が生じて痛みが出るものに大きく分類できます。
肩の病気で多いのは四十肩、五十肩で、肩関節周囲炎とも言われます。実際には40歳代、50歳代の人に限定で起こるわけではなく、60歳代、70歳代の方にも生じます。肩関節周囲炎は肩の周りに炎症が起こり痛い状態を示しています。痛みや肩が硬くなってしまい、肩の動きが悪くなります。そのため、髪を触ったりする動作や背中に手を回すのが苦手になります。肩関節周囲炎は、病気の総称的な面があり、今後、肩関節の周囲に炎症が起こる原因別に、病名が細分化されていくのではないかと思われます。肩関節周囲炎は自然と治ると教科書にも記載されていましたが、最近の研究ではそうではない可能性も指摘されています。当院ではお薬、注射、徒手のリハビリ、電気・温熱・超音波などの機械によるリハビリを効果的に組み合わせて治療します。また、特に夜間の痛みに悩む方には手術を勧めています。
また、60歳代以降には腱板断裂という病気が増えてきます。腱板断裂は、肩にある腱板と呼ばれる組織が裂けて起こります。断裂は、初期は小さい場合も多くあります。また、ケガをした記憶がなくても断裂が始まっていることがあります。断裂が徐々に広がり日常生活に支障をきたしてくる場合もあります。診断は、レントゲン検査だけでは難しく、MRで詳細に評価します。
ひざの痛みで受診される方の多くは50歳代以降の方です。ひざにはなん骨や半月板と呼ばれる構造物があり、これが老化や体質により悪くなります。そして痛みが生じてきます。治療法は、お薬、注射、徒手のリハビリ、電気・温熱・超音波などの機械によるリハビリを効果的に組み合わせます。また、それぞれの方にあう靴の中敷を作ったり、医療用のサポーターを用いたりします。手術を好んでしたい人は少ないでしょうが、病状が進むと手術以外では改善が乏しい状態になることもあります。そういった方には手術について話しています。
<よくある質問>
Q.水を抜くと癖になるか?
水はひざの中に炎症が生じて起こります、水を抜くと関節内の圧力が下がり、また水が一定量までたまります。水を抜いたから癖になっているのではなく、水がたまる状態が続く(炎症が続く)からたまるだけです。水の性状を見ることで検査になりますから、水がすぐにたまる可能性はありますが、意味はあります。
Q.痛み止めは癖になり、やがて効かなくなるのではないか?
痛み止めは消炎鎮痛剤と呼ばれるものです。ひざには炎症が起こっており、それを抑えるために痛み止めを使用します。やがて効かなくなるのではなく、病状が悪化して炎症の度合いが強くなっているために痛み止めの効果では十分に対応できなくなってきているのです。痛み止めには中毒性はありませんが、胃腸障害の副作用に関しては、十分に注意する必要があります。
Q.運動については?
痛みがあるときに、ひざに負担をかける運動は炎症を悪化させます。体重がかかった状態でする運動、ウォーキングや屈伸動作などは止めたほうがよいです。ひざに良い運動は、水泳や自転車など体重をかけずに行える運動です。
Q.健康食品は効果があるのか?
現時点で、明確な効果があるものはありません。健康食品は多岐にわたり把握できない状況です。副作用の問題もあるので、詳しくは販売している会社に問い合わせして下さい。病院ではヒアルロン酸の注射をしておりますが、これはなん骨の再生を目指したものではなく、炎症を抑えるために行っています。Q2
仕事中のけが(労働災害)や交通事故に国民保険や社会保険は使用できません。
労働災害は労災保険、交通事故は通常自賠責保険から支払われます。
仕事中のけがを隠して健康保険を使用することは不正になるだけではなく、労災保険であれば受け取れたはずの各種補償が受けられなくなります。
労働災害は会社で指定の用紙をもらいます。
それが保険証の代わりになります。
窓口負担はありません。
受付の際に「仕事中のけがである」旨をお知らせください。
交通事故の症状は、事故直後には自覚症状が無くても2〜3日経ってから痛みが出てくる場合もあります。
早い段階で治療を始めることが大切です。
当院では検査結果・患者さんの状態を見て
最適な治療方法をご提案いたします。
自費の治療でも面倒な手続きはほとんどありません。ご加入中の保険会社の担当者様へ通院の意思をお伝えください。保険会社との手続きは当院で承ります。
●ケガの程度により様々ですが、改善、回復が完了するまで治療をいたします。
●治療を始めてしばらくすると保険会社から治療の終了を勧められることがありますが、
まだ治療をすれば症状の改善・回復が見込める場合には治療を継続することができます。
●患者さんの症状によっては、傷病の症状が安定し、その傷病の症状の回復・改善が期待できなくなる状態となることもあります。その場合は患者さまに後遺症が残ったとして、当院で後遺症診断書を作成させて頂きます。
警察に速やかに事故の連絡をしてください。事故に伴う症状は、2-3日経過してから出現することもあります。事故後に警察への報告がないと自動車保険を請求する際に必要な「交通事故証明書」の交付が受けられなくなることがあります。
ご自身が加入されている保険会社へ連絡してください。その際、保険会社へ『にいみ整形外科』へ通院する旨を連絡してください。
受付の際に「交通事故で自賠責保険を利用する」旨をお知らせください。交通事故の場合には、当院が保険会社との支払いを代行させていただくため、基本的に患者さんの窓口支払いはありません。しかし、保険会社への連絡が済んでいない場合には一時的に実費負担(立替払い)となります。後日、当院へ保険会社からの連絡が入った後、患者さんには初診時にお支払いただいた治療費を全額ご返金いたします。立替払い分の返金は、お支払い時にお渡しした領収書と引き換えになりますので大切に保管してください。面倒な保険会社とのやりとりは当院で行います。
自賠責保険(交通事故)をご利用の方で、まだ治療をすれば症状の改善・回復が見込める場合には治療を継続することができる場合があります。必要に応じて保険会社と相談します。
患者さんがどのような不安を感じているのかをお聞きし、症状の原因を調べ、治療の方針などの説明を致します。不安なく治療に専念できるよう努めます。
当院では多くの設備があり、一日で全てを利用するのは難しいことがあります。その場合は検査やリハビリの予約をして待ち時間が少なくなるように努めます。
また、事故後しばらく受診されない方もいますが、事故から長期間経過すると事故との関連性の認定が難しくなるので、受診は早めにして下さい。受診したくても時間の都合が悪ければ、当院(0594-33-2133)に連絡をお願いします。
違いがわからずに困っている方も多くいると思います。
整形外科は医師が担当します。接骨院や整骨院は柔道整復師が担当します。
医師は医師法、柔道整復師は柔道整復師法により可能な業務が規定されています。
整形外科医は21,000人いるのに対して柔道整復師は68,000人おります(平成28年厚生労働省データ)。
柔道整復師学校の数は急増しており、年に4,000人前後の新規資格取得者がいます。
接骨院や整骨院が増加しているのはこのためです。
医師 | 柔道整復師 | |
---|---|---|
資格 | 国家資格 | 国家資格 |
資格所得のための学校 | 医学部医学科で6年 | 大学・専門学校 |
許可された行為 | 医療行為 | 医療類似行為 |
診断 | 可 | 不可 |
画像検査 | 可 | 不可 |
投薬 | 可 | 不可 |
診断書発行 | 可 | 不可 |
損傷部位の固定 | 可 | 可 |
徒手療法・物理療法 | 可 | 可 |
●診察や検査結果に基づく医師・理学療法士・柔道整復士など多職種が参加したチーム治療
●診断書の発行や保険会社との交渉
●警察に対する診断書作成
●弁護士に対する医学的情報提供
●保険金を支払う保険会社に対する医学的情報提供
近年、交通事故を専門と謳う接骨院や整骨院が多くあります。
けがの診断をすることや診断書の発行は医療行為ですので、柔道整復師(接骨院・整骨院)には認められていません。後遺症に関する診断書は、症状の根拠となる画像所見が重要で、そのために補償が大きく変わる可能性があります。
後遺症に伴う補償は治療の最後に受けます。接骨院や整骨院で施術を受け治療が終わりになって後遺症診断書の存在を知り、困っている方を多く経験しました。
主に整骨院や接骨院にて医業類似行為を受けている方で、当院への受診がほとんどない患者様に関しては、診断書作成時に障害の根拠となるカルテ記載、画像検査がほとんどありません。
診断書作成などでトラブルになりますので、接骨院や整骨院を通っている方の当院での治療はお断りさせて頂いています。当院では、院長が信頼している柔道整復師が施術する接骨院や整骨院を除き、接骨院や整骨院への紹介状作成は一切行いません。ご理解ください。
不幸にして後遺症が残った場合は、治療の経過、残った症状、障害を丁寧に記載した診断書を発行します。