3回目新型コロナワクチン副反応調査について

ブログ 2022年2月21日

ワクチン接種3回目が行われています。2/10に当院職員を対象に3回目コロナワクチン接種を行い、副反応について調査しました。1回目、2回目のワクチンの副反応については令和3年5月13日と5月30日のブログで掲載していますので参考にして下さい。

当院での結果は、少数例の結果ですので、参考にとどめてください。

まず、当院ではファイザー社のワクチンを過去2回接種しました。3回目はファイザー組とモデルナ組に分かれました。

 20代30代40代50代60代
ファイザー社5544321
モデルナ社2471115
79115436

<副反応の頻度について>

【副反応の発生頻度】

副反応(3回目)
ファイザー社
(3回目)
モデルナ社
(2回目)(1回目)
なし4%0%8%8%
注射部位の痛み95%86%80%83%
注射部位の痛み以外の副反応80%80%86%31%

 過去と同様に副反応がない人はわずかでした。大半の人は注射部位の痛みが続きました。

【副反応の詳細】

 ファイザー社モデルナ社
発熱57%73%
頭痛47%60%
倦怠感57%73%
腕が90度以上挙がらない38%33%
注射部腫脹9%6%

院長は研究を多く行い、その成果を発表してきました。最終的に論文という形で、医学の進歩に貢献してきました。特に骨粗しょう症に関して作成した論文は、骨粗しょう症分野のトップジャーナルに数多く掲載され、世界中の人に読まれています。論文作成の時に学んだことは物の見え方には多面性があるということです。そして一流紙になるほど、研究デザインの優秀さ、データ解釈の妥当性、医学に与える影響などを厳しく審査されます。

今回の結果ではモデルナ社での3回目の接種の方が副反応の頻度が若干多いように見えます。ただし、この解釈には、注意が必要です。当院では、3回目にファイザー社を希望した人はファイザー社、モデルナ社を希望した人はモデルナ社、どちらでもいい方はワクチンのロスが出ないように2社を振り分けて接種しました。3回目にファイザー社選ぶ人はどのような人なのか、モデルナ社を選ぶ人はどのような人なのか、ここに偏りがないか考える必要があります。例えば、2回のファイザー社接種で副反応があまりなかった人が、3回目にファイザー社を選ぶ確率は高いと思います。逆にモデルナ社を選ぶ人は、過去のファイザー社接種で副反応が強く、モデルナ社であればもう少し軽いかもしれないという人、より高い予防効果を期待している人などかもしれません。院長は高い治療効果を求めモデルナ社を選択しました。院長は、注射部位痛はありましたが、大した副反応はありませんでした。注射部位の痛みは1回目や2回目の方がむしろ強いくらいです。ただ、院長は副反応を感じにくいだけかもしれません(それに院長は予防的に痛み止めの内服をしていましたので、副反応が出にくかっただけかもしれませんが…)。様々な思いが交錯してワクチンが選ばれています。また、院長の場合、最良の選択をしているという思いが副作用を感じにくくしている可能性すらあります。そのため、結果だけを見ても、その結果が正しく事実を伝えているかはわかりません。また、肝心の両社のワクチンの効果がどこまで異なるのかも、現時点でわかりません。

研究に対する解釈に注意がいることと似たことは、身近な所でもしばしばあります。例えば、塾の合格実績です。ある日、受験生の子供を持つ母が広告を見ました。そこにはA塾とB塾の広告がありました。A塾では、〇大学に10名合格していました。B塾では1名合格していました。A塾の教育がB塾に比べて優秀かどうかは、一概には言えません。例えば、A塾は厳しい入塾テストがあり、そもそも入塾することが難しければどうでしょうか?また、高校受験の時の偏差値が同じC高校とD高校があったとします。C高校からは〇大学に毎年10名合格、D高校からは5名合格とします。これもどちらが優秀かわかりません。もしかしてC高校の定員はD高校の3倍という場合もあるからです。

医学研究では実に多様な要素が混じり、ある一面の切り口のみで比較しようとしても、背景が異なってしまうために、結果をすぐに事実と言いきれないことがあります。異なる研究で同様の成果が得られてこそ、より信じるに足りる研究成果になると思います。

副反応は職員さんの訴えをもとにしています。以前のブログでも書きましたが、注射後の調査をすれば、調査がなければ気にならないようなことでも体調不良と自覚する傾向があります。ワクチン接種される方におかれては、副反応の知識も大切ですが過敏になりすぎないようにして頂いたらと思います。

当院でも3月下旬より3回目コロナワクチン接種を開始します。もしよろしければ、当院での接種を検討して下さい。