日常診療でよくあるできごと(外来あるある)

ブログ 2026年9月12日

今回は、普段の診療の中で頻回にある質問や、整形外科に限らず、多くの医療機関でも日々繰り広げられているであろう「外来あるある」をまとめてみました。こういった疑問やすれ違いが少しでも減り、より円滑に診療が進むことを願っています。実は、こういったやり取りは長時間になりがちで、待ち時間にも繋がっています。

Q1. もっといい方法ないですか?

治療は常に合理的であることが求められます。当院でも、やりやすく、効果が高く、バランスの取れた合理性・妥当性のある方法から順にご紹介しています。もちろん、治療方法(治療メニュー)には限りがあります。 整形外科で言うと、治療方法はスライドのごとく、症状や好みに合わせて選択していきます。

【治療方法(慢性疾患の場合)】

  • 選択肢: 手術、外用、内服、注射、装具、リハビリ、あるいは「何もしない・今まで通り」

例えば、重症の骨粗しょう症の方には注射薬をお勧めしますが、「できれば内服薬で」とよく言われます。しかし、内服で同等の効果が得られるのであれば、そもそも注射薬が発売に至ることは考えにくいのです(使用する人が少ないとメーカーも分かるため、コストをかけて売れない薬を発売することはありません)。 「お薬があまり使用したくないんです」と言われることもありますが、それは医師も分かっています。それでも薬を勧めているのは、今、その薬が必要だからに他なりません。 また、「食事と運動で何とかしたい」というご意見もいただきます。それで済むならそれに越したことはありませんが、現実的に老化が関わる病気をそれだけで対応しようと思うことには無理があります。もし食事と運動に気を付ければすべて解決するのであれば、そもそも人間は年を取らない(老化しない)ということになってしまいます。 こういったお話を、時間をかけて説明しますが、実は大半の人が、今まで通りの治療を望まれます。それは、合理的な治療方法を選んで“今の治療”に至っているため、改めて治療方法を聞いても患者様が求めるような“劇的に良い方法”はなく、今までの方法が最も合理的という現実を知るからです。

Q2. 根本的な治療をして欲しい

老化が関わる病気の場合、残念ながら根本的な解決はできません。なぜなら、「若返り薬」というものは存在しないからです。つまり、こうしたご要望は現実には難しい「無理難題」ということになります。治療のゴール(目標)は、老化が関わる病気かどうかで異なります。

【ゴール(目標)と病気の種類】

  • もとに戻る(老化が関わらない病気): 軽微な怪我(打撲・打ち身)、かぜ、下痢、インフルエンザなど
  • 症状がなくなる(老化が関わる病気・若返り薬がない): 変形による病気、リウマチ、骨粗しょう症、高血圧、糖尿病、高脂血症など

老化が原因の大きな要素になる疾患では、残念ながら病気そのものは治すことができず、手術ですら大きな対症療法という面もあります。

Q3. 動くときだけ痛いんです。普段は痛くないです。

診察は、一つひとつの「決め事」の連続です。診察室で体調を伺い、病気について説明し、最終的にどのように対応していくかを患者様と相談・実行して診察が終了します。当院ではお薬が必要かどうかも患者様と一緒に相談しますが、その際によくあるのが次のようなシーンです。最終的にはどちらかに決めていただくことになります。

【薬の治療の考え方】

多くの痛みは、特定の時(タイミング)に出る大半です(例:膝は、立ち上がった時、階段昇降、歩行時など。安静にしていたら痛くない人が大半です)。  “動かすと痛い”という患者様への対応は二者択一になります。

  • 動かすと痛い → 「痛いから困る」という患者様には薬を処方したり注射したり、治療介入します。
  • 動かすと痛い → 「(動かさなかったら痛くないので」あまり困らない」という患者様には治療介入しません。

*治療介入が必要かは考え方次第であり、どちらかを選ぶことになりますが、「どうするか」を伺うと、一定の人は次の話題に話が変わってしまいます。決断することを避けているためだと思いますが、診療は決め事という側面もあるため、決めていただくことも大切です(“困る”という話で治療介入の説明をすると“動かさなかったら困らない”と話が変わり、“困らないなら様子見ましょう”と話すと“やっぱり困る”と、堂々巡りになることは毎日あります)。

4.そんな話は聞いていません

患者様は、ご自身が覚えていないことを「聞いていない」と表現されることが時々あります。日常の会話であれば、「本当に聞いていないのか」「自分が忘れてしまったのか」の2パターンを考えるところですが、医療現場では「最初から説明していない」ことにされてしまうことが少なくありません。カルテにはしっかりと説明した旨を記載しているのですが……。 特に使用期間が決まっている製剤などで、治療の終了近くになり次の治療方法(逐次治療)の説明をすると、しばしばこの会話になり気まずい雰囲気になってしまいます。覚えていないのはこちらの説明が足りなかったのか、時間もずいぶん経っているから仕方ないという気持ちもありますが、「聞いていない」と言われると悲しくなることもあります。

5.治療は一生ですか?

経年性の変化が関わる病気に、基本的に「治療の終了」はありません。 ある時点で病状が進み、治療の合理性が上回るために治療が開始されます。そこから5年、10年と治療を続けていれば、悪くなるのをある程度抑制できます(悪くなるペースを緩やかにできます)。病気の種類や治療薬によっては改善するものもあるでしょう。ただ、薬の効果は基本的に一過性のものであり、やめれば元に戻ってしまいます。

お薬との付き合い方を年齢で振り返ってみると、

  • 10代: 常時内服している人は少ない。
  • 40~50代頃: 何らかの薬が開始になるという話題が増える。老化が関係した病気が診断される人も出てき、薬物療法がスタートする。
  • 70代頃: 何錠内服しているかが話題になる。老化が進んで複数の病気を抱えるようになり、例えば高血圧などを例にとると、かつては1錠で対応できていたものが、病状の進行に伴い1錠では足りなくなる。

基本的に加齢に関わる病気は、ある時点で診断されれば、骨折や脳梗塞、心筋梗塞といった重大なイベントを予防するために、治療の必要性が経時的に増していくものなのです。

まとめ

医療現場のリアルな本音をお伝えしましたが、こうした日々の診療における意思決定やコミュニケーションの積み重ねこそが、より良い治療へとつながっていきます。これからも患者様と二人三脚で、納得のいく医療を提供していければと考えています。

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(※このブログ記事は、AI(Gemini)の支援を受けて作成しています。)