先月も院長の論文について報告しました。今回、2カ月連続で、院長の論文が掲載されました。今回の報告されたのは重症骨粗鬆症者向けの薬剤である、抗スクレロスチン抗体製剤の治療成績についてです。抗スクレロスチン抗体製剤は12ヵ月の使用期限がある薬剤です。骨粗鬆症治療薬の中には、使用期限や回数が決まっているものがいくつかあります(指定の回数を超えたから体に悪影響が出るわけではないのですが、保険診療上は決められた回数しかできません)。本剤は2年間の治療成績も報告されています。抗スクレロスチン抗体製剤は保険診療では、月に1回、計12回、クリニックや病院で注射します。
今回掲載される抗スクレロスチン抗体製剤に関しては、既にいくつか本邦から国際雑誌に報告されています。院長の論文も本邦から報告された論文も、発売前に行われた第三相試験という臨床試験とほぼ同じ結果で、実臨床でも同じような効果や副作用頻度であることが確認されました。先月も述べましたが、「強い薬=副作用が強い」と信じている人が多くいます。副作用が強くて効果が弱い薬は割に合わないので発売に至らないでしょうが、「強い薬=副作用が強い」は必ずしもそうではありません。抗スクレロスチン抗体製剤は非常に強い骨密度増加効果がありますが、副作用は比較的少ない、軽いと思います。当院では骨粗しょう症治療を熱心にしており、患者さんと相談しながら薬剤を決定します。何度も骨折したりする人は、抗スクレロスチン抗体製剤が合う患者さんです。お困りの方がいらっしゃったら受診して下さい。