コロナによる制限も徐々に解除されています。勉強の場である講演会も、Webもまだまだ多いですが、現地集合のものも徐々に増えてきています。
院長は、年間20回程度の講演会の演者をしています。今回は、m3.comという医師向けのサイトを介した大規模講演会で演者を務めました。今回の勉強会は熊本大学の先生が座長で、私と獨協医科大学の先生が講師となりました。専門の業者さんの協力を得て、全国3カ所から中継でつなぎ講演会を行いました。
獨協大学の先生の発表は非常に勉強になりました。背骨の骨折の治療を保存治療(手術をしない)、手術療法に分けて解説して頂き、治療成績や問題点を解説して頂きました。
私は、骨粗しょう症の診断について、特に重症骨粗しょう症の診断について説明しました。重症骨粗しょう症とは、①骨折を2カ所以上している、②骨折が1ヵ所+骨密度が若い人の65%未満、③骨密度が60%未満、④背骨の骨折をしている人で、潰れ方がひどい等が該当することを伝えました。最近、Imminent Fracture Risk(差し迫った骨折リスク)という言葉が、骨粗しょう症分野で話題となっています。これは、骨折直後に、次の骨折が高確率に生じるという意味です。Imminent Fracture Riskを示す研究結果は、続々と報告されております。そのため骨折直後(1年以内)は、骨粗しょう症を、今までの概念(上述した①~④だけではなく)より重症と考えた方が良い意見もあります。そして、重症骨粗しょう症患者と診断した時には、内服など弱い治療ではなく、最初からガツンと強い治療をして骨折しにくい骨にして、その後内服薬などで地固めをする治療プランが提唱されています。
今回の講演会では3000名弱の医師が視聴されたそうです。少しでも治療のお役に立てればと思います。しばらく講演会や学会発表の予定が続きます。来週には千葉の学会での講演も控えております。またこちらでも報告させていただきます。