当院でのコロナワクチン接種報告とヒトパピローマウイルスワクチンについて

ブログ 2021年7月25日

当院でも、新型コロナウイルスワクチン接種を行っています。7/25は8回設定した接種日のうちの3回目となります。8/1の接種日まではすべての予約枠が埋まっている状況です。それ以降は2回目の接種者を対象とした予約枠が空いています。2回目を休日やお盆に接種したい方はWebで予約してください。

接種会場風景

流行の中心は30代以下の若年者に移ってきています。現在、桑名市は原則、40歳以上を接種予約対象としていますが、今後、感染者が多い30代以下にも対象が広がります。特に10代の方の場合、ワクチンの副反応が心配な方、心配な保護者の方も多くいると思います。今後、若年者の流行をどのように抑え込むかは、新型コロナウイルス流行を抑え込む上で大切になります。一方、若年者は感染しても死亡リスクが比較的少ないうえ、副反応が強く出やすいことが予想されるためにワクチン接種率が高齢者に比べて低くなることが予想されています。実際、ワクチン接種先進国でも若年者の接種率の低さがみられるようです。様々な要素を考慮して、ワクチン接種について検討して頂けたらと思います。

話が変わりますが、子宮頸がんについてご存知でしょうか?子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染が主要な原因と考えられています。つまり、がんの原因が感染症であることがわかっています。感染で、がんが生じる病気としては、胃がんも有名です。胃がんはヘリコバクターピロリ菌という菌に感染することが重要なポイントになります。

HPVに対するワクチンはあります。残念なことに、HPVに対するワクチンについては、あまり知られていないように思います。子宮頸がんはワクチン接種で、がんになる可能性は大幅に減ります。ワクチンは9歳以上の女児に打てますが、副反応を心配する声が多いため接種が進んでいません。ワクチンが摂取できるようになった当初はワクチンについて話題になったと思いますが、最近では話題になることが少なく、ワクチンの存在すら知らない保護者もいます。子宮頸がんのワクチン接種は、保護者が主になり検討することになると思います。ワクチン接種をするかどうかは、保護者と本人で相談されるかと思います。このブログを通して、子宮頸がんは発生率を抑えるワクチンが存在することを知っていただき、このワクチンについても興味を持って頂く機会となれば幸いです。

そういえばこの記事を書いている際、携帯電話が普及しはじめた頃のことを思い出しました。その頃、“携帯電話の長時間の使用で脳腫瘍が増加する”という噂がありました。当時、学生だった私は、この世には様々な波(光も音も波の一つですね。テレビも電磁波の一つである電波を利用して放送されています)があふれて、毎日、体全身で様々な波を受けている現実があるにもかかわらず、なぜ携帯電話による波だけ脳腫瘍が増加すると思うのか、その発想に疑問を持ったことを思い出しました。もう20年以上前のことになりますね。新型コロナウイルスが携帯電話を通して感染すると思っている人・地域があるそうです。情報の真偽を見極めるのは難しいものですね。

参考のために日本産科婦人科学会の“子宮頸がんとHPVワクチンに関する”サイトを載せます。興味があれば閲覧してください。

http://www.jsog.or.jp/modules/jsogpolicy/index.php?content_id=4