新しいコミックスを置きました

ブログ 2022年10月29日

院内には多くの新聞、雑誌、漫画などが用意してあります。新聞や雑誌は定期的に変わります。コミックスなどは最新号が発売されれば、追加するようにしています。また漫画については時々、新しいタイトルに変えたりしています。最近では、呪術開戦、東京リベンジャーズなどを用意しました。これらは患者様から評判を聞いて用意しました。東京リベンジャーズを用意してから1年弱ですが、最近、ある患者様から“マッシュル”という漫画が面白いとお勧めいただきました。聞いて少し時間がたちましたが、今回“マッシュル”のコミックスを用意しました。好みもあると思いますが、良ければ読んでください。

私の子供が社会の勉強で、“十返舎 一九”を覚えていました。久々に聞いた名前に、懐かしく思いました。私がいつ、“十返舎 一九“やその代表作である“東海道中膝栗毛”を覚えたのかわかりません。ただ、改めて思うと、本当に不思議な名前だし、その作品名も変なものです。人生のどこかで、東海道中膝栗毛の歴史的意義を知りました。東海道中膝栗毛は江戸時代に最も流行った、現代で言う“お笑い本”で、人々はその作品を読んで大笑いしたそうです。その作者である十返舎 一九は、日本で初めて作家として生涯生計を立てた人だそうです。勉強するときには、試験に答えるために、十返舎 一九・東海道中膝栗毛・滑稽本の3つをセットで覚えたのでしょうが、試験という目的を離れ、知る気持ちになると新鮮な気分になります。

少し前に出張した際に、通りがかった本屋さんで学生の時によく見た古典を題材とした本を見ました。大学受験の時に、漢文は私の得意分野でした。設問に答えるのは難しい時もありましたが、受験勉強のオアシス的なところがあり、文章を読んで感動することがありました。漢文の題材に“貞観政要”が取り上げられることが度々あり、これが好きでした。“貞観政要”の主人公である、李世民は何があっても肯定的な内容が正答になると悟りました。受験生の方がこのブログを読んでいることは少ないと思いますが、受験漢文では、李世民、堯・瞬は良い指導者の代表例で、ネガティブな選択肢は間違いがほとんどです(李世民は実在した人物ですが、堯・瞬は伝説の人物です。堯と瞬は2人ですが、セットで堯・瞬と言われます)。

“貞観政要”は遣唐使で有名な唐の時代の中国の作品です。素人の歴史解説になりますが、唐の前の時代は隋です。隋は短命でした。隋は二代皇帝煬帝の土木事業や戦争ために滅びたとされています。煬帝は運河の整備に力を入れ、国力が消耗したといわれています。皮肉なことに、煬帝が国を傾けるまで行った治水事業は、後の時代からは、それなりに先見の明があるとされており、整備された水路の恩恵を後の人は受け続けています。国力が衰えた隋では様々な勢力が台頭しました。その中で、隋の有力な家臣であった李淵が、戦乱を勝ち抜き唐の初代皇帝になりました。中国の統一に大きな力を発揮したのは、初代皇帝李淵の子供たちでした。特に長男李建成と次男李世民です。李世民の軍功はすさまじいものでした。しかし、悲しいことに、中国が統一されたのち、兄弟間の争いが生じました。そして、長男の李建成は次男の李世民に敗れます(玄武門の変)。そして李世民は2代皇帝の座につきます。李世民(太宗と呼ばれます)は中国の名君の中で最高との呼び声が高い皇帝です(好みの問題ですので諸説あります)。理由は多くありますが、①唐の建国に際する貢献度(軍事力)、②玄武門の変の後、才能あふれる李健成の家臣を多く登用し、国を作り繁栄したこと、③皇帝になっても日々反省の気持ちを持っていたこと、④皇帝になっても贅沢をしなかったこと、などが挙げられます。皇帝になった後の、家臣とのやり取りをまとめたものが“貞観政要”です。この本が大学受験の漢文でよく取り上げられるのは、内容が現代にも通じ、高校生が今後生きていく中で重要なものだからだと思います。先に挙げた、“十返舎 一九”などもそうですが、学生時代に暗記ばかりしていると面白くないですが、少し受験から離れて、“どうしてこんなことを習うのだろうか?“、と思うと、教育のシステムはよく考えられたものだと感心します。

社会人になって学生時代の勉強内容を振り返ると、本当に大切なことを教えていたのだと思いますし、学生時代にいい加減にしてきたことを後悔する気持ちがわきます。人生は気持ちがあれば、学びなおす、あるいは学び足す機会が多くあるものだと思うこの頃です。

購入した書籍です。読みやすいです。