新型コロナワクチン副反応調査について

ブログ 2021年5月13日

5/1 15:00に当院職員を対象にコロナワクチン接種の第1回目を行いました。副反応について職員に調査を行いました。

国の方針では  (1) 医療従事者等  (2) 高齢者(令和3年度中に65歳に達する、昭和32年4月1日以前に生まれた方)  (3) 高齢者以外で基礎疾患を有する方や高齢者施設等で従事されている方  (4) それ以外の方の順にワクチン接種が進みます。

今後、ワクチン接種の参考になればと思います。少数例の結果ですので、参考にとどめてください。

<副反応の頻度について>

副反応                   頻度          
なし8%
注射部位の痛み83%
注射部位の痛み以外の副反応31%

副反応がない人はわずかでした。大半の人では注射部の痛みが続きました。持続時間には年齢や性別での特徴が少ないように思います。注射2日後の5/3にも痛みがあった人は31%と、3人に1人は痛みが持続していました。痛みの強さについての評価方法は難しいですが、“痛くて腕が挙げられない”、という話がありましたので腕を水平より高く挙げれるかで評価しました。痛みのために腕を90度挙げれない人は28%でした。

他の副反応について紹介します。

副反応        頻度
倦怠感14%
頭痛8%
掻痒感6%
注射部の腫れ6%
発熱6%(すべて37°台の発熱)

<副反応の時期や持続時間について>

注射2日後に頭痛が発生したのは1名でした。

注射部位の痛みは注射2日後まで持続する人もいましたが、それ以外の副反応は注射翌日中にはなくなりました。

<副反応が出やすい人について>

少数のデータですので明瞭なものはありません。ただ、副反応が出なかった人は30代、50代、60代の人で、年齢が高いと出にくいかもしれません。

<まとめ>

性別で注射部位の痛み以外の副反応出現率を統計解析しましたが差がありませんでした(p=0.25;Fisherの正確検定)。統計解析の結果を示すと、すごく正しそうに見えますが、統計解析は諸刃の剣です。統計的に差を見せようとして、解析する人が恣意的に解析すればすぐに差が出てしまいます。例えば、当院で行った接種者数が10倍になり解析すれば女性の方が多いという結果になってしまいます。統計解析は解析人数が多いほど、差が出やすいという面があります。ですので、解析結果は参考程度にとどめてください。

副反応は職員さんの訴えをもとにしています。注射2日後の頭痛は副反応と考えてよいか悩ましいですし、調査がなければ気にならないようなことでも、注射後の調査をすれば、体調不良だと自覚する傾向があります。ワクチンを接種される方におかれましては、副反応の知識も大切ですが過敏になりすぎないようにして頂けたらと思います。