院長が監修した医療関係者用パンフレットができました。
パンフレットは以下の内容です。
手首の骨折は50~60代の女性に発生することが多くあります。この年代は骨密度測定をしても骨密度はあまり低くありません。骨折した方も、打ち方が強かったために“たまたま”骨折したと思いがちです。しかし大規模な調査で、一度手首の骨折をした人の反対側の骨折率が高いことがわかっています。また、手首の骨折をした人が将来、背骨や大腿骨の骨折を生じやすいことも分かっています。骨密度が比較的高いのに手首の骨折を生じる主因は、骨の硬さ(骨密度)の劣化ではなく、骨のしなり(骨質)が劣化しているためだと考えられています。骨質は骨の一部を採取して測定することが可能ですが、普段の診療で測定することはできません。ただ、一般に糖尿病患者さん、COPDとよばれる肺の病気の方は骨質が劣化していると考えられていますし、骨折経験者も骨質がある程度劣化していると考えられています。そのため、骨折した人は骨密度だけではなく、骨折の危険因子をどの程度持っているかを検討して骨粗しょう症治療を開始するかを考えた方がいいという結論になっています。
以上がパンフレットの内容となっています。
当院では骨の硬さ(骨密度)だけではなく、骨のしなり(骨質)も考えたうえで、骨粗しょう症治療が必要か、治療を行う場合、どの薬剤が良いかを提案しています。
手首の骨折を経験した方は、“たまたま”骨折したと思わず、ご相談ください。