再診の方に限り予約制です。初診の方に付きましては予約診療いたしておりません。原則、来院順です。予約の方と調整しながら順次診察しております(初診患者さんの人数は日により異なるため、再診の方も待ち時間を生じることがあります。特に夕方が混雑します)。
初診の方の流れは、
1. 受付してください。
2. 問診表記入してください。(あらかじめ記入して頂くと時間短縮となります)
3. 問診表を参考に身体所見をとらせて頂き、必要に応じてレントゲン撮影を行います。
4. 検査結果の説明や治療説明を行います。患者さんの意向も伺いながら、治療方法を決定します。内服はなるべく避けたい、注射は避けたい、など希望があれば言ってください。
5. 診察の最後に必要に応じて次回の予約を取ります。
事前に問診票を書くことができます。ダウンロードした問診票を印刷してお使いください。
機械を用いたリハビリの場合は予約はいりません(原則、来院順です)。
午前や午後の開院直後は混雑しますので、午前なら11時30分頃、午後なら4時頃に来院頂くと待ち時間が少ない状況になっております。なお理学療法士とのリハビリは予約制です。
1.リハビリ室ではリハビリに適した服装をお願いしております。
2. 理学療法士とのリハビリの方は運動に適した服装を、機械を用いたリハビリの方は機械を当てる部位が露出しやすい、或いは処置がしやすいよう “ゆとりのある服装”でお願いします。
3. リハビリ室内は土足では利用できません。下駄箱がありますので、そちらを利用してください。靴の取り違えが起こりにくくするために靴につける番号札も用意しております。
4. リハビリ機器の衛生管理の観点から、一部の機器は素足での利用を控えて頂くものもあります。できましたら、靴下・ストッキング・室内履きをお持ちください。
初診の方の場合は、レントゲン撮影後からレントゲン説明までの間に待ち時間が長くなる傾向にあります。院内におおよその待ち時間表示がされておりますので、外出を希望される方は受付に声をかけてください。そして戻られた際には受付にお伝えください。待ち時間は患者さんの診察状況によって前後します。お伝えする時間には幅があるので、一応の目安としてください。順番が来た際に、不在の場合は少し時間を空けて呼ばせて頂きます。
〈お願い〉
待ち時間が長くなる理由の一つに説明時間が挙げられます。体調のことですので丁寧な説明を心がけております。説明後に同じ説明を家族などにもう一度してほしいと待合室などにおられるご家族を呼ばれる方もおります。説明を聞かれたい方は一緒に診察室にお入りください。
53台です。玄関前は屋根のついた車寄せがあります。雨の日などに乗降する際にば利用ください。院内より屋外は見えにくくなっています。車の乗降に介助が必要な方がいらしたらスタッフに声をかけてください。車寄せは接触事故が生じやすい場所です。徐行など細心の注意をお願いします。
【車椅子】
3台あります。2台は院内に入ってすぐ、1台はリハビリ室内にあります。スタッフが気付かなければ、お手数ですが声をかけてください。
【診察室】
診察室は3部屋、それに処置室があります。
【画像検査】
単純レントゲン(デジタル画像レントゲン診断システム)、最新式のオープン型MRI、骨密度測定器があります。画像検査の際には更衣が必要なことがあります。カーテンで仕切られた更衣室が二部屋あります。
【血液検査】
外注で検査しております。
【リハビリ室】
平行棒、昇降台、リハビリ用ベッド、大きな鏡があります。また、ウォーターベッド(ベッド型マッサージ器)、超音波骨折治療器(骨癒合を早める機械)、低周波治療器(痛みの緩和)、干渉波治療器(痛みの緩和、筋力強化)、ハイボルテージ(痛みを和らげる、炎症を改善する、腫れを改善する機器)、頚椎牽引治療器、腰椎牽引治療器、ホットパック(温熱治療)、下肢のエアマッサージ器(血行促進・疲 労回復・筋肉の疲れやコリをほぐす・神経痛や筋肉痛の緩和・足のむくみを改善します)、上肢交互運動器(動きにくくなった肩の運動を行う機械)、筋力や持久力を高めるトレーニングマシーンが各種あります。
【トイレ】
待合室奥に三部屋、リハビリ室に一部屋あります。
【待合室】
椅子が35脚あります。混雑時に椅子を追加で用意します。カウンターテーブルがありますので、パソコンや勉強をしたい方はそちらを利用してください。
【アメニティー】
1. 新聞が5紙、雑誌は常時15種類程度あります。適宜入れ替えています。様々なジャンルの漫画や図書もあります。
2. 無料ドリンクサーバー。
3. Free-wifi。
4. ケーブル類。Type ‒C USBケーブルやmicro USBも準備があります。必要な方は受付に声をかけてください。スマホなどの端末の管理には十分気をつけてください。
当院にはMRI設備があり自院で行えます。ただし、MRI検査は全員に行うわけではありません。患者さんの状態、レントゲン検査結果等を踏まえて必要に応じて検査します。健康保険診療ではレントゲンに先立つCT/MRI検査、安易なCT/MRI検査は制限されております。希望がありましたら診察時に相談をしてください。MRI検査は完全予約制です。
当院では腰椎と大腿骨の骨密度測定を行います。背骨(背骨=胸椎+腰椎)は骨折する部位として最も多く、大腿骨は骨折した時に歩く能力の低下に直結しやすいため、この二部位を測定することが診断では最も大切とされております。また、治療の効果を見るには腰椎が最も優れているとされております。また、背骨が知らない間に折れていることがあるため(いつの間にか骨折)背骨のレントゲン撮影も行います。検診結果などで骨密度検査や治療を勧められた方は受付時に伝えて頂くようにお願いします。
無料送迎はエリアを限定して送迎しております。安全に送迎するため、初回はクリニック→ご自宅までのお送りのみとさせて頂いております。送る際に自宅場所や自宅入り口の状況確認し、ドライバー一人で安全に送迎できる環境にあると判断できれば、次回から送迎をしております。ご自宅→クリニックから始めることはしておりません。送迎エリアはこちら
送迎時間については希望を相談した上で行っております。小学生以下の方の単独での乗車は、安全の観点などからお断りしております。事故防止や事故の際に役立てるためドライブレコーダーを設置しております。ご了承ください。
基本的な血液検査の結果は翌日にでます。
しかし関節リウマチや骨の新陳代謝(骨代謝マーカー)を見る検査は1週間前後の日数がかかる場合がございます。レントゲンは当日の診察にて説明いたします。
はい。治療しております。他にも母子保健、生活保護を取り扱っております。
当院の診察で必要となりますので、必ずお持ちください。他院でされたレントゲン、CT、MRIなどがあれば重複した検査を避けることもできますので可能でしたら持参してください。
地域の介護保険課にて、まずご相談ください。その後、来院時に詳しく説明させて頂きます。
※介護保険の書類で来院される場合は、お薬手帳をご持参ください。
【一般的な質問】
https://www.joa.or.jp/public/index.html
手術や入院が必要な方は、病状にあった病院を紹介させていただきます。紹介先は、富田浜病院、桑名市総合医療センター、海南病院、鈴鹿回生病院、市立四日市病院、三重県立総合医療センター、三重北医療センターいなべ総合病院です。その他、希望があれば紹介させていただきます。
クリニックの専門性を高めるために、様々な医師が診療に当たっています。応援医師は主に土曜日に来院しています。専門分野は、骨軟部腫瘍、肩、股関節や膝、スポーツや膝・足、脊椎、外傷などです。専門性の高い診療が希望の場合は一度お電話ください(各分野の専門医が1~3ヵ月に1回来院されます)。当院では初診の診療予約はしていませんが、該当する分野の医師の来院日が分かっている場合はお伝え出来ます。その際には画像(レントゲンやCT、MRI)をお持ちの場合はお伝えください。なお、医師の状況により来院がしばらくない場合もあります。ご理解ください。医師によっては待ち時間が2時間を超える場合もあります。待ち時間については、ご意見を頂きますが、①予約の方が多い、②新患の方や体調が悪くなり予約外でいらっしゃる患者様の受付時間に偏りがある、③患者様への説明や質疑応答や治療方針決定までに要する時間(医師からいくつかの治療や検査方法を提案した後、患者様が決定するまでの時間)、などで生じます。予約人数を絞る施設も多くありますが、そちらの方では予約が取れない、という意見が出るようです。混雑時は、おおよその待ち時間を説明させていただきます。検査後、診察まで自動車内で過ごしたり、一旦帰宅していただくこともできます。
待ち時間については、ご意見を頂きます。当院が考える理由はいくつかあります。①予約の方が多い、②新患の方や体調が悪くなり予約外や時間外でいらっしゃる患者さんを受け入れる(新患や体調不良の方は、数が日により大きく異なりますし、また、その受付時間に偏りがあります)、③一人当たりの診察が長い(これには、説明が丁寧なために長くなることや患者様への説明や質疑応答や治療方針決定までに要する時間がかかる;医師からいくつかの治療や検査方法を提案した後、患者様が決定するまでの時間、が考えられます)、④予約患者さんが少ない日や応援医師の来院時に次回予約を提案しますが都合がつかず、特定の日に予約が集中する、などで生じます。時間通りの進行をすることや営業を終了するために、予約人数を絞る、あるいは混雑時には、新患や予約外の方を断る施設もあります。そういった施設では予約が取れない、受診しても診てもらえなかった、という意見が出るようです。全てを兼ね備えた方法は、世の中の多くのことと同じように難しいですし、それができるなら、既に全ての医療機関がそのようにしていると思います。当院では、混雑時は、おおよその待ち時間を説明させていただきます。検査後、診察まで自動車内で過ごしたり、一旦帰宅していただくこともできます。患者さんから、待ち時間について、ご意見を頂くことがあります。重ねてのことで大変恐縮ですが、上記に述べた現状ですので、待ち時間を無くす事が難しいという点をご理解下さい。大変申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。
カイロプラクティックは19世紀の終わりにアメリカで考案された脊椎矯正手技療法です。内臓をはじめとして身体のさまざまな不調が脊椎骨の配列の乱れによる神経圧迫に起因するとの考えから、この乱れを矯正して身体機能を回復させようとするものです。一部の国では資格試験もありますが、日本ではカイロプラクティックの公的な資格はなく、国に認められた学校もありません。つまり、誰も がカイロプラクターを名乗ることが可能です。法に基づいた資格である柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師(あはき師)と異なり、整体などと同様に法的な根拠のない医業類似行為に分類されます。米国の公的な資格を取得した施術者もあれば、数日の講習を受けて開業する施術者もあり、そのレベルは様々で、健康被害を生じた報告もあります。日本国内でこれを行おうとするなら、まず医師免許を取得して行うべきと思われます。
公益法人日本整形外科学会ホームページより引用。https://www.joa.or.jp/public/index.html
ヒアルロン酸は、関節内投与(注射)に関しては、膝関節と肩関節のみ保険(診療報酬)で公的に認められています。これは科学的データに基づき有効性が認められているからです。ヒアルロン酸の経口摂取の有効性については、現在のところ相反したデータが出されています。ただ有効と結論づけたデータも自覚的に痛みが良くなったというものであって、例えばX線(レントゲン)検査などで改善したというような科学的データではありません。単純に考えれば、ヒアルロン酸のような巨大分子は腸管で吸収される時分解されてしまう筈ですから、直接関節に行って良くなるとは考えにくいと思います。すると次には分解されたとしても軟骨の材料を提供するわけだから良い筈だという反論が考えられますが、現在の飽食の日本で若者と年配者で食事の内容が変化して、年配者ではヒアルロン酸の材料が不足するということも考えにくいでしょう。関節症の問題はむしろ受け手の代謝過程に問題があるというほうが考えやすいと思います。一般にサプリメントとして販売されているものは、科学的データとして有効性が認められていないために保険では認められていません。しかし、全く効かないというデータもないのです。あるいは個人差があるということも可能性としてはありうると思います。従って日整会では、『これは無効であるから飲むな』と言うことを公式に述べることはできないのです。既にこれらを飲んでいる方の場合は、ご本人が判断し、有効でないものは続けないようにしていただきたいと思います。現在市販されているものでも、科学的に有効性が明らかになれば将来厚労省が薬として認めることになると思います。
公益法人日本整形外科学会ホームページより引用し一部を削除。
https://www.joa.or.jp/public/index.html
【以下は当院長より】
生命は食べ物を摂取→消化→代謝して自分の体の中で必要なものに作り変える、という作業を行っています。例えば、牛が草を食べて生きていますが、牛が草をいくら食べても牛のままであるのはこのためです。ヒトが牛肉を食べても牛にならない、ヒトが子牛を食べても若返らないのも同じ理由です。もし、ヒアルロン酸を摂取して膝の軟骨が再生するなら、なぜ鳥の軟骨を食べても軟骨が再生しないのでしょうか?軟骨そのものを摂取した方がはるかにヒトの軟骨に近いものが安価に摂れると思います。皆さんは心臓病の人が、ハツ(牛の心臓)を食べると心臓病が治るはずですし、筋力が落ちてきた40歳のプロ野球選手が焼肉を食べたら筋力が戻り30歳 の頃と同じように活躍できるはずです。サプリメントの広告にあるのは作用する科学的なデータの提示ではなく、あくまで個人の感想です。今後、新たな事実が発見される可能性もありますが、現時点で、有効性は科学的には証明されていないと考えられます。
整形外科では医師(整形外科医)が骨・関節・筋腱(運動器)・手足の神経(末梢神経)・脊椎脊髄の治療を行います。診察による理学所見とX線(レントゲン)やMRI等の検査をもとに診断し、症状や病態にあわせて投薬、注射、手術、リハビリテーション等で治療します。整骨院(接骨院)では柔道整復師が捻挫や打撲に冷罨法、温罨法、マッサージや物理療法等の施術を行います。柔道整復師は 医師ではなく、あん摩・マッサージ、はり・きゅう師と同じ医業類似行為の資格です。外傷による捻挫や打撲に対する施術と骨折・脱臼の応急処置が業務範囲で、変形性関節症や五十肩のような慢性疾患(怪我ではない関節痛や神経痛)は取り扱えません。整(接) 骨院に健康保険を使って外傷以外の疾患で通うことは違法です。
公益法人日本整形外科学会ホームページより引用し改編。
https://www.joa.or.jp/public/index.html
両者の得意分野が異なります。CTではレントゲンで骨折と診断がついた場合でも、より詳細に骨折線の走り方を知る時、足や手など小さな骨が多数ある部位での骨折診断をする時を得意とします。また撮影時間が短いためMRIより撮影しやすいのも長所です。一方、MRIは背骨の中にある神経の状態を見たり、レントゲンでは骨折しているかわからない場合でも骨折を発見できたりします。首や腰の病気、背骨の骨折、疲労骨折などはMRIが得意とする分野です。当院にはCT設備がないため必要となれば、当院の紹介状を持って他院で撮影をお願いしております。
レントゲン撮影、骨密度検査では少量の放射線被曝があります。そう聞くと怖くなるかもしれませんが、実は私たちは生活の中で絶えず放射線被曝しています。海外の一部の地域では、毎日の被曝量が胸部レントゲン撮影1回に相当する地域もあります。こういった地域に数十年生活していても発ガン率が上昇しているという現象は生じていません。また、東京―ニューヨーク間のフライトで受ける宇宙線からの被曝量は胸部レントゲン撮影の被曝量と同等です。パイロットやキャビンアテンダントに被曝による健康障害は生じていません。医療被曝では胸部レントゲン撮影を1000回以上、それを短時間に繰り返した場合には健康被害が出現する可能性があります。現実的にはなかなか起こらない検査数です。細胞は絶えず新しくなるため、被曝が体内に蓄積されることはなく、長期間で1000枚撮影しても影響はありません(先の一部の地域に生活されている方が生まれてから1000日経過している4歳になっても、その10倍に日数が経過している40歳になっても健康被害が出現しないのはこのためです)。つまり、医療行為において身体的影響は無いと考えられています。それに加えて、当院では従来の約半量の放射線被曝で検査ができる最新鋭のレントゲン撮影装置を導入し、患者さんの安心・安全を期しています。なおMRIは放射線を使わない検査ですので、被曝の可能性はありません。都道府県の放射線技師会のホームページにわかりやすいQ&Aが載せられている場合が多いのでご参考ください。
http://www.tart.jp/general01.html
http://www.sart.jp/public/faq/
プロボクサーは殴る力はすごいでしょうね。ただ、恐らく試合中の痛みの感じ方は鈍いと思います。試合後に骨折が判明したというニュースを耳にすることもありますね。実は試合中に痛みを感じにくいのは、何千万年もかけて進化してきた、生き物の生存のための能力が関係しています。 野生の動物は食うか食われるかの世界です。襲われた動物が、仮に負傷をしたとします。負傷しても生きるためには逃げるあるいは反撃するなど抵抗する必要があります。この時に痛みを感じては動くための邪魔になります。そのため、ドーパミン&オピオイドシステムというシステムが作動します。これは、緊急事態では特殊な物質が脳内に短期間に大量に放出されることで、痛みの刺激が瞬時に遮断され、痛みを感じにくい状態にします。これにより、負傷しても痛みのために動きが制限されるのを防いでいます。 話が変わりますが、褒められるとうれしいですよね。苦労して臨んだ試験に合格するとうれしいですよね。これらも似たようなメカニズムが関与しています。昔から“報酬回路”と呼ばれる脳の回路です。逆に慢性的に痛みを感じている人は、こういった回路の機能に異常をきたしていることがあります。痛みを長く感じている患者さんは痛みを感じる機能に異常を生じている人が多くいます。そこを治す薬もあります。新しい薬は、今後も皆様のもとに届くと思います。順次取り入れ、選択肢として皆様に提示できればと思います。
この気持ちはよくわかります。整形外科だけではなく、可能であれば小手先ではなく根本から治したいと思うでしょう。根本治療があるのに、対症療法をする医師はいないと思います。
患者さんの想いと、今できることにギャップがあるので、こういった会話が生まれるのだと思います。
では根本治療とはどういう状態でしょうか?
ギャップを埋めるために、まず、病気の原因について考えてみましょう。整形外科に限らず、多くの病気の主因は加齢現象です。例えば、膝の変形を挙げます。膝の変形の原因は、加齢、体質、体重、スポーツ歴、性別、靭帯損傷などの怪我、などが挙げられます。最も大きな原因は加齢だと思います。
加齢が大きく関係するような病気の根本的治療は若返りです。ただ、若返り薬はありません。そのため、加齢が関係する病気では根本的治療は難しいという結論になります。世の中には“根本的な治療をします”と謳っている広告や施設もあります。根本を治す治療をした方が患者さんは、うれしいでしょうし、「年のせいと言われた」と患者から聞くのは辛いものがあります。当院では病気の評価を行い、現在の医療技術として患者さんにできること、できないことを伝えています。そして、治療の選択肢を提示して、それぞれの方が受け入れられる方法を応援しています。できないことを、できるように装い治療することは時に必要かもしれません。ただ、大半の場合は誠実でないと思いますので、当院ではそのような説明はしないようにしています。
加齢が大きく関係する病気では、若返り薬がないため、どうしても対症療法となります。
対症療法に意味がないかと言えば、そんなことはないと思います。病気そのものが治らなくても快適に生活できれば、若返りの次善の策としてはいいと思います。
病気が変わりますが、思春期の側弯や変形に伴う側弯(背骨のゆがみ)に関しても根本的治療がないのか質問を受けます。背骨のゆがみを治す必要性が高い場合、専門の先生は手術をします。その一方、思春期の側弯や変形に伴う側弯(背骨のゆがみ)を治すと謳う施設もあります。指で背中を押したりマッサージをして治るなら、専門の医師がわざわざ手術することはありません。ただ、もし、押してゆがみが矯正できるのであれば、体を引っ張って身長を伸ばすことも、また頭を押さえつけて身長を縮めることもできるように思います。でも、顔を何度も圧迫すれば顔が別人のように変わるでしょうか? 残念ながら、そういった人を見たことがないと思います。体は外から押したり引っ張ったりして、大きく変化することはありません。
重ねての説明になりますが、当院で提供する医療は、偽りなく、患者さんの気持ちに配慮しながら適切な説明を行い、患者さんが納得できる医療を受けることだと思います。そのため、当院は、患者さんにできること、できないことを伝え、治療の方法を提示して、それぞれの方が受け入れられる方法を応援しています。
神経の接続部に作用する薬剤を処方されているのだと思います。この薬剤は、体を慣らすため徐々に量を増やす必要があります。処方される先生の考えもあると思いますが、例えばサインバルタ®(デュロキセチン)は慢性化した痛みや変形性関節症に投与できます。サインバルタ®(デュロキセチン)は一般的に20㎎を毎日1回服用することから始まります。ただ、本来内服して頂きたい量は最初から60㎎です。20㎎での効果判定は一般的に難しく、20㎎は主に体を慣らすために内服して頂き、問題なければ40㎎→60㎎と増量して効果判定をします。先生によっては30㎎や50㎎を途中で処方する場合もあるかもしれません。20㎎から60㎎を見ると3倍に増えたとなりますが、実際には最初から60㎎を出したいけど副作用を見るために1/3の量で出していると考えて頂ければいいと思います。これは私の印象ですが、副作用は増量時より、初回投与20㎎の時に多くみられます。 リリカ®(プレガバリン)やタリージェ®(ミロガバリン)も同様に少量から開始することが多い薬剤です。またトラムセット®(トラマドール・アセトアミノフェン配合剤錠)、トラマールOD®(トラマドール)やワントラム®(トラマドール)も作用機序が異なりますが、少量から開始することが勧められます。
処方された薬剤は、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤というグループの薬剤です。サインバルタ®はうつ病・うつ状態、糖尿病性神経障害に伴う疼痛(痛み)、線維筋痛症に伴う疼痛(痛み)に対する使用が認められています。“痛み“以外に処方できるので意外に感じると思います。実はセロトニンやノルアドレナリンは、痛みに悩む患者さんだけではなく、うつ病・うつ状態の患者さんで異常をきたしていることがわかっています。そのためこれらの疾患でも使用ができます。時々、”痛み“に対して処方させて頂いた方が、心配されますが、内服により、うつ病・うつ状態になるわけではありません。
非常に難しい質問です。残念ながらどの薬剤をどれくらい使用すれば効果があるのかを予想することは現時点では難しいと思われます。ただ、サインバルタ®やトラムセット®などのトラマドール製剤は慢性的な痛みに対して処方できる薬剤です。これらは、他剤を使用しても痛みが残る場合に使用する、あるいは長期間痛みを我慢してきた患者さんへの治療薬の一つと考えられます。
痛みへの治療は多方向から考えます。薬物治療はその柱の一つです。その他に、装具療法、神経ブロック、リハビリ、認知行動療法(“心の持ち方”をポジティブな方向へ変える手助けをする)、脳刺激法、筋運動などがあります。全ての治療が行える施設は、日本国内でもわずかにしかありません。当院でもすべては無理ですが、様々なアプローチを試みています。
治療をやめる事ができるかどうかは、骨粗しょう症治療を始めたきっかけが大切です。
1. 骨折したために治療を始めた方は、基本的に一生治療を勧めます。骨折したことがある人が再び骨折しやすいことは、過去の研究から明確にわかっている事実です。薬物治療を行い骨密度が増加して骨折しにくくなったと言えても、骨折リスクが高い状態は続いていると考えられます。
2. 骨密度を測定して骨密度が低いために治療を始めた方は、
①骨密度が十分に増加したこと
②特定の薬物を数年間続けていること
この2つが満たされればしばらくお薬を休むことをしても良いとされています。ただし、止めた方が続けるより良いといわれている訳ではありません。特定の薬剤は内服方法で判断できます。内服薬であれば朝起きてすぐに内服して、しばらく食事を摂らない薬剤が該当します。これらの薬剤は、数年間使用しておれば薬をお休みしても数年間薬剤の効果が続くために骨密度がすぐには低下しません。逆に、これ以外の薬剤は、お薬を休むと速やかに効果が失われてしまうためにお薬を休むことは適しません。
諸事情で現在かかっている病院で治療継続ができない場合、当院で治療させて頂きます。また、骨粗しょう症のことを相談したい場合も、適宜診察させて頂きます。
骨粗しょう症治療薬の一部が、歯科治療で抜歯する際に悪影響が出るという論文が発表されて以降、こういった問題が生じるようになりました(顎骨壊死といいます)。この論文が出る以前は骨を強くすることで顎の骨も丈夫となるので歯にとって良い薬と長期にわたり評価を受けていた歴史があります。現在、骨粗しょう症治療と顎骨壊死の関係について世界中で多くの議論となっております。現在までに、まとまっている意見としては、
1. 薬剤によって予防できる骨折の数を考えた時に顎骨壊死は比較にならないほど発生が稀であること(ある論文では、顎骨壊死の発生率はカナダにおける殺人の発生率と同等と報告されております。つまり、顎骨壊死に注意するのは、殺人にあわないように注意するのと同じ程度という見解もできます)。
2. 骨折した方に対して骨粗しょう症の薬を中断することは好ましくないこと。
3. 顎骨壊死の治療は改善してきているものの苦労すること。
4. 骨粗しょう症の薬を休むことに本当にメリットがあるのかわからないこと(現在は骨粗しょう症治療を休むことにメリットがあるのかわからないけど、休むのも一つの案ということになっています)。以上が挙げられます。また、当院長・富田浜病院・三重大学整形外科のグループが、6ヶ月に1回の注射製剤(プラリア®)を歯科治療のために休んだ結果、リバウンド骨折という、きっかけがなく背骨が何カ所も骨折する患者さんについて報告を行いました。この報告は骨粗しょう症の専門誌に英文で掲載されており、世界中の骨粗しょう症治療に影響を与える報告になっております。
骨粗しょう症のお薬には内服薬と注射薬があります。注射を好む方は少ないので、内服薬を使う患者さんが多くなります。注射薬が存在している理由は、いくつかあります。
代表的な理由としては、
1. 内服薬より効果が強い(大半がこの理由です)。
2. 内服できない患者さん向け(お薬を多く飲んでいるので、これ以上増やしたくない、背中が曲がっていて副作用が出やすいなど)。
3. 注射薬でないと薬が作れない。
ご安心ください。治療方針は検査の結果を十分に説明した上でいくつか選択肢を提示させていただきます。患者さんの嗜好を伺い、治療薬を選択します。まずは一度お気軽にご来院ください。
骨は肌、筋肉、髪など外表面からも見える臓器と同じように老化します。若い時から徐々に骨は弱っていくため骨粗しょう症と診断された後、何もせずに骨が強くなっていくことはありません。薬物療法を行っても、十分に回復する人は少数派ですので基本的には一 生治療を勧めます。骨粗しょう症と診断されても薬物療法をしない患者さんもいますが、骨折確率は年々上昇します。薬物療法をしない場合、薬物療法の手間はないですが、簡単に言うと骨粗しょう症から目を背けているだけですから、最終的に治療しないという 選択が患者さんの利益になるかは難しいところです。食事や運動で骨粗しょう症を治したいという意見もよく聞きます。肌、筋肉、髪など外見に置き換えて考えるとわかりやすいと思います。肌は年々ハリがなくなりシワやシミが生じると思います。また髪は年々細く、ハリがなくなり、薄くなります。食事をはじめとした生活習慣に気をつけていると肌や髪の状態が若返る、或いはいつまでも20歳の時と同じようにとどまっておれるでしょうか?それは無理ですね。それと同様、目に見えない骨も老化を免れることはありません。いくら食事や運動に気をつけても徐々に老化していきます。骨粗しょう症は運動や食事療法の効果が全くないわけではありませんが、糖尿病や高血圧に比べると運動や食事療法での改善幅は少ないのが現実です。そのため、骨粗しょう症の方には食事や運動に気を使いつつ薬物療法をメインとして治療することをお勧めます。
骨密度が上昇しない理由には大きく2つあります。
1. 一つは、骨密度があまり増加しないお薬を使っていることです。SERM(サーム)やビタミンDは骨密度の増加効果は少ないため、骨密度を測定してもなかなか骨密度があがりません。これらの薬剤の効果は、骨密度の増加によって得られているわけではありません。骨の材質を改善することで、骨がしなりやすくし骨折予防効果を得ています。そのため骨密度が増えなくても、血液検査や尿検査で骨の新陳代謝が改善していることが確認できれば心配ないと思います。
2. もう一つは、骨密度の測定方法です。治療の効果を測るために骨密度測定する場合は測定している部位が大切です。治療効果が最も見えやすいのは海綿骨という種類の骨が多い腰椎です。大腿骨・手首・手・踵は骨密度が変わりにくい上に、検査誤差も大きく治療の効果判定をあまり得意とはしていません。
骨密度の測定機器は大きく4つあります。
| 測定方法 | イラスト | 特徴 | 順位 |
|---|---|---|---|
| DXA法 | ![]() |
背骨・太ももの骨折に関係 治療効果判定しやすい |
1 |
| DXA法 | ![]() |
手首の骨折に関係 治療効果判定は苦手 |
2 |
| X線写真法(MD・DIP) | ![]() |
骨折予測は難しい 治療効果判定は難しい |
3 |
| 超音波法 | ![]() |
踵の骨折に関係 治療効果判定は難しい |
4 |
骨粗しょう症の診断はどの部位でも可能です。ただ、骨折数が圧倒的に多いのが背骨です。骨折数は背骨より少ないですが、骨折した時に大きな影響が出やすいのが大腿骨(太ももの付け根)ですので、この2部位を測定することが重要です。手や踵の骨の骨密度が低いことは、その部位の骨折のしやすさを反映しますが、手や踵の骨が骨折する頻度は少なく、骨粗しょう症検査の入り口と考えるのが良いと思います。同じ人でも測定部位によって数値が異なります。ですので、手の骨密度が高いから、大腿骨(太ももの付け根)の骨密度が高いとは言い切れません。ある個所で測定した骨密度が体全体の骨密度とどれくらい関係するのか明らかにすることが今後の研究課題だと思います。
一方、治療をしている時には治療の効果が出ているのかの判定が必要です。治療の効果をみるのは腰椎 (背骨)が最も優れており、次いで大腿骨(太ももの付け根)です。それ以外の部位は、治療の効果より検査誤差の方が大きいので治療効果判定を得意とはしていません。
治療で使用できる薬剤は、皆様に届ける前に臨床試験が行われます。臨床試験は世界レベルのエキスパートの先生が参加して、研究の内容などを検討して開始されます。第三相試験という臨床試験(薬剤の販売に重要な試験です)で骨密度に関して治療の評価対象になるのは、腰椎と大腿骨がほとんどで、稀に手首が入る程度です。
骨粗しょう症は加齢や体質が関係してなります。骨密度はざっくり言えば、骨のミネラル量(骨の硬さのイメージ)を示しています。一般論として、若い時より元気になっていく人はありません。例えば、外表面にみえる髪や皮フは徐々に衰えます。内臓も衰えていきます。残念ながら骨だけが衰えを免れることはありません。
骨密度が高かった理由はいくつか考えられます。例えば背骨の場合、骨折したり変形したりすると骨密度は高くなります。また動脈硬化も骨密度を高く見せる要因です。骨折は骨が弱いために生じる現象ですが、皮肉なことに骨折すると骨が潰れて圧縮されるために、骨の“密度”は高くなります。パンを潰して小さくすると硬くなるのと同じです。そのため、レントゲン検査をして、測定部位がどのようになっているのか確認することも大切です。治療中に骨密度が前回に比べて10%増加していたのでレントゲン確認したら、新しく骨折していた、という話はしばしば遭遇することです。背骨は骨折しても1/3の人にしか痛みがなく、2/3は無症状と言われています。そのため時々、背骨のレントゲン検査はした方が良いと考えられます。
事故の被害者である場合(追突された側の方が多いです)、基本的に、自己負担はありません。多くの場合、加害者側が加入する任意保険会社から被害者である患者さんに連絡があります。その際に、“にいみ整形外科に通院する”旨を伝えて下さい。そうすると加害者側の保険会社から当院へ連絡があり、自己負担なく治療を受けられます。加害者側の保険会社から当院へ連絡がない場合は、自己負担が全くない患者さんなのか判断ができないため、一旦、費用をお支払いいただきます。
ご自身の加入する保険会社さんは、被害者側に過失が全くない事故では対応ができないことが多いです。ただ、弁護士費用特約を使用したい場合などは、被害者側の保険会社(事故で加入している任意保険会社)に連絡する必要があります。
診断書は発行しております。要望があるものは警察用と職場用が多いです。提出先や目的で記載内容が変わりますので教えて下さい。これらの診断書は事故に付随して必要になるものですので、被害者の場合、自己負担はありません。
多くの場合は、被害者の方は、加害者側の保険会社の担当者とやり取りをします。保険会社は自賠責保険を取り扱う日本損害保険協会の会員となっています。加害者側が加入している任意保険会社が自賠責保険も取り扱っているため、事故があった場合は自賠責保険と任意保険を一括して対応しています。こういった対応のことを自賠一括対応と言います。
事故の際の賠償は2階建ての構造になっています。自賠責保険ではケガの場合、補償の限度額は120万円となっております。被害者の方にかかる医療費や慰謝料などを支払う場合、まず1階に相当する自賠責保険から120万円まで支払い、それを超えると任意保険からの支払いが始まります。
自賠一括対応というシステムのメリットは、①窓口負担が不要になる、②補償なども一つの窓口でしてもらえるということが挙げられます。ただ、デメリットもあります。「自賠責保険は、“自賠責保険は、被害者の救済を目的とした社会保障的な性格を有する保険であるため、保険料に利潤は含まれておらず、保険会社の利益は発生しません。”」とされています(一般社団法人日本損害保険協会ホームページより)。その一方、保険会社は、一般的な会社と同じく、社会貢献と共に利益を追求する企業です。そのため、保険会社の負担となる2階建てに相当する任意保険部分の支払いにはより慎重になります。また、後述しますが、自賠一括対応をいつまでするかは保険会社に決める権利があり、患者さんの希望と異なる時期に終了になることがあります。
基本的には困り具合によります。ただ、最終的に症状が残存した場合、後遺症の申請を行うことになります。後遺症の認定には、①一貫した症状の訴え(診察室で話すこと、それをカルテに記載することが大切です)、②過去の通院実績や通院期間、③MRI撮影歴や画像所見、④年齢、⑤車の修理代(車の修理代が体の損傷とある程度比例するという発想のようです)、等が関係していると言われています。どの人に症状が残るのか正確な予想は難しいので、症状のある間はこまめに通院し、早期に改善するよう頑張ることをお勧めます。
別部位の症状が出現した際は、速やかに申し出てください。事故との因果関係が証明できないものは、交通事故によるものと判断するのは難しくなります。概ね2週間を経過して別の部位の痛みが出た際は、被害者である患者さんが訴えても、医師も積極的に因果関係があるとは言いにくくなります。2週間以上経過した際は、当院では保険会社さんに確認していただくようお願いしています。
接骨院/整骨院や医業類似行為との併用は、当院では院長が信頼する接骨院としか行っておりません。治療終了後に、被害者である患者さん(あるいは代理人)と加害者側の保険会社賠償の交渉が始まりますが、その際に重要となる診断書の発行は医師しかできません。当院でほとんど診ていない方の診断書作成は、強い要望があれば記載しますが(医師法で発行義務があるため)、通院実績がなければ有用な情報はほとんど書けませんし、診断書に関する問い合わせなどの対応(加害者側保険会社や弁護士から)にも多くの時間を要します。そのため、通院実績のほとんどない方への診断書料は高額に設定しております。事情をご理解いただきますようにお願いします。
加害者側の保険会社は、被害者側の状況を知るために定期的に患者さんに連絡することがほとんどです。今までの患者さんから伺った話では、むち打ちなどの場合、①当初はしっかり治してください、②3カ月くらいすると終了の打診(伺い)、③5カ月くらいすると終了しましょう、という流れが多い印象です。
保険会社からの連絡があることにストレスを感じる患者さんも多くいます。当院では、保険会社も状況を知りたいでしょうから、ありのままを話してくださいと伝えています。
なお、保険会社から電話があった際に、誤解を与える表現には気を付けてください。例えば、“雨の日は痛いです“、は解釈によっては”(実際には痛みはいつもあるけど)雨の日以外は痛くないです“ともとれます。被害者である患者さんは、思うように話しているつもりでも保険会社と解釈の相違が生じる場合が多くあります。
自賠一括対応という制度を用いている場合は、保険会社側に自賠一括対応を打ち切る権利があります。ただ、治療そのものを打ち切る権利はありません。その後も、健康保険で治療を続けることは可能です。被害者請求という制度を用いて、後日、自賠責に請求することも可能な場合があります。症状が残っているにも関わらず、自賠一括対応の終了をもって治療を終了することがありますが、治療の観点からも賠償の観点からも望ましいことではありません。
ここでは、頻度の多い追突事故による“むち打ち”を例にします。“むち打ち”の場合、後遺症は12級13号(以下12級)、あるいは14級9号(以下14級)が該当する可能性があります。賠償額は年齢や収入なども関係しますので一概には言えませんが、12級の認定で総額数百~千数百万、14級で総額2~4百万程度と言われています。
後遺症の認定は保険会社で行いません。どの保険会社であっても平等に判定できるように、損害保険料率算出機構という独立機関が判定します。大半の場合、損害保険料率算出機構の下部組織である自賠責調査事務所が行っており、難しい案件を損害保険料率算出機構が行っています。
後遺症の判定は書類審査と画像評価で行われます。後遺症の認定基準は、Q4で挙げたことが関係していると言われていますが、正確にはわかっていません。いわゆる、“当たり屋”が不当に後遺症の認定を受けるのを避けるためとも言われています。びっくりすることですが、後遺症認定を行っているのは、医療関係者ではなく機構の職員がマニュアルに沿って行っているそうです(医師などに相談することはあるそうですが、主として作業しているのは医療現場にいた人ではありません)。そのため、審査側が判断できるように、医師の発行する診断書などに判定に重要なポイントが、適切に書いてあるかは大切です。医師は交通事故の制度を勉強する機会がなく、悪意がなくても、ポイントを押さえた医師が担当していたら得られた後遺症認定が、異なる医師が作成したため得られなかった、ということもあり得ます。患者さんにおかれても、診察毎に残存する症状、良くなった症状を的確に伝えて頂くことが大切です。
患者さんから、保険会社から事前認定制度の利用の案内書が届いたと相談されることを経験します。患者さんは何を意味するかもよくわからず、診察室で書類を出されます。“後遺症の書類を書く=自賠責での対応は終了します”、という意味であると理解して下さい。
後遺症は事故半年以内の申請では、ほぼ100%認定されないと言われています。保険会社が知らないはずはないと思いますが、なぜか事故3~4ヵ月で保険会社から送られてきたと言う患者さんがいます。後遺症の認定には、一定期間見ても症状が残存し、今後も残ると考えられるという状況が必要です。事故3ヵ月でその症状が残るかどうかなど、院長である私には判断ができないですし、その時点で後遺症診断書を発行しても認定される可能性がないとわかっているため、当院では症状が残存している患者さんで困っている方は、健康保険に切り替えてでも、引き続き通院することを勧めています。
ご自身の任意保険や場合によってはご家族の任意保険に弁護士費用特約を付けている場合があると思います。その場合、弁護士費用特約を使用することも選択肢になると思います。弁護士さんの介入って大げさ、と思う人も多いでしょう。弁護士さんに依頼することで以下のことが可能になります。
| できること | 内容 |
|---|---|
| 相談 | 賠償金の相場などがわからないので教えてもらえる。 |
| 代理人 | 保険会社とのやり取りを代理してもらえる。 |
| 示談交渉 | 慰謝料などの賠償額が増える可能性が高い。 |
| 民事裁判 | 賠償額に納得できない時に裁判をする。 |
賠償の一つである慰謝料を例に挙げます。保険会社から提示される慰謝料には複数パターンがあると言われています。弁護士が介入した場合とそうでない場合は提示額が異なることが多く、弁護士の介入があった方が有利なことが大半です。慰謝料、休業補償、後遺障害などで弁護士がいた方が有利な条件となる場合もありますので、事故の際には弁護士費用特約加入の有無の確認をお勧めします(特約を使うかどうかは患者さんの自由です)。弁護士費用特約を使用しても、ご自身の保険料は上がりません。また成功報酬も患者さんが受け取る損害賠償金から減ることはなく、患者さんの加入している任意保険会社が支払いをします。
お願いする弁護士がわからず困っている患者さんも多くいます。基本的にはご自身で探していただいていますが、困った際は、交通事故を熱心に扱っている弁護士事務所を案内させていただくことも可能です。ただ、当院は中立な立場です。当方から紹介させて頂いた弁護士事務所に相談した場合でも、弁護士事務所と書面や面談での必要なやり取りはしますが、過度な協力関係になることはありません。
いわゆる“むち打ち”の場合、後遺症に認定される可能性があるものは12級13号(以下12級)と14級9号(以下14級)と言われています。12級の症状は、“局部に頑固な神経症状を残すもの”、14級は“局部に神経症状を残すもの”とされています。意外かもしれませんが、14級はMRI撮影がある方が認定されやすいものの(撮影している事実も大切)、画像で目立った所見がなくとも、症状が一貫して続き、今後も続くと考えられれば認定される可能性があります。一方、12級は、神経症状(例えば左うでの痺れ)が一貫として続き、それを証明しうる画像所見があり、症状が今後も続くと考えられると認定される可能性があります。
強い神経症状のために手術になって改善した場合はどうでしょうか?後遺症は症状が残っている時に認定される可能性があるものです。そのため手術をして症状が消失すれば認定される可能性はありません。
結果に不服がある場合は異議申し立てができます。院長の意見としては、異議申し立ては、患者さん自身で行うことは難しく、できれば弁護士に相談して行った方が良いと思います。後遺症の申請から結果が戻るまで数ヵ月かかります。その間も治療を続け、それでも症状が続いている場合、より後遺症が残る可能性が高まっているため、異議申し立てを行うことで認定される場合もあります。後遺症書類の提出をもって通院を中止した場合、異議申し立てで認定される可能性は更に低くなると思いますので、当院では症状が残る間は通院を勧めています。
当院では、特に初診時の身体所見を丁寧にとり、MRIを含めた画像評価を症状が残存しやすい首や腰では勧めています。初診時の身体所見はその後、どこが改善し、どこが改善しなかったかの判断に重要です。また、リハビリも徒手、機械によるものを組み合わせて行っています。患者さんの不利益にならないように、適宜、丁寧な問診も行っております。保険会社や弁護士からの問い合わせも、適宜対応しています。特に交通事故を取り扱っている弁護士事務所からは画像所見や身体所見についての細かな質問が出る場合もありますが、事実に基づき丁寧に返答しております。適切な治療、検査、患者さんの状況がわかるようポイントを押さえたカルテ記載や診断書記載などを心がけて対応していきます。