まずは保険診療で治療をすることをお勧めします。その上で、従来の治療で症状が緩和せず、手術はどうしても嫌な方は、PRP療法も選択肢として考えています。PRP療法は従来の保存療法と手術の間を埋める新しい治療方法です。関節の健康寿命を延ばせる可能性のある治療として、スポーツ障害では、早期復帰や手術回避の可能性のある治療として期待されています。また難治性病変に対しても新しい治療法となっています。
変形性膝関節症では、過去の研究から治療後1~2週程度で効果が徐々に現れ始め、2ヵ月程度から効果が実感されてくることがわかっています。ただし、あくまで平均値ですので、ばらつきはあります。また、重症度や年齢等によっても効果が左右される可能性があります。
PRP療法の効果はリハビリの有無では変わりませんが、PRP療法の原因となった病気を改善するために行うことをお勧めします。
38度以上の発熱がある方にはお勧めしません。治療当日の運動や入浴(シャワーを除く)は控えてください。
持参して下さい。
ありません。
レントゲン・MRIパックの方は1週間前まではキャンセル無料、6日から前日までは10%、当日は20%のキャンセル料を頂きます。
送迎サービスは利用いただけます。事前にご相談ください。
年齢制限はありません。
悪化までの期間や効果によりますが、再度PRP療法を行うことも選択肢です。
間隔をあける必要はありません。
お支払い方法は、現金のみとなります。なお、レントゲン・MRIパックの方は1週間前までに費用をお振り込みください。
変形性膝関節症は加齢とともに発症する病気です。いわゆる“膝の変形”です。年齢とともに膝が痛くなり、正座ができなくなったり、O脚になっている人の多くがこの病気です。一般的には、内服治療、外用治療、ヒアルロン酸などの注射、リハビリ、装具(靴の中敷や膝のサポーター)、ひどくなれば手術をします。
変形性膝関節症では、軟骨の摩耗、半月板の損傷、膝関節内外の炎症が生じます。このような状態になると、体に様々な反応が起こり、そのために変形が進んでしまう悪循環があります。PRP療法で自己治癒力を高めることで、組織の修復を促したり、関節の炎症を抑制したりする効果が期待できます。ただし、PRP療法では摩耗した軟骨や損傷した半月板の再生はできません。
●変形性膝関節症と診断されていること。
●一般的な治療を行っていること(内服治療・外用治療・注射・リハビリ・装具)。その上で、人工関節などの手術を避けたい方や手術するほど悪くないがスポーツなどを高い活動レベルで維持したい方。
腰痛が生じる疾患には様々なものがあります。代表的なものが腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、腰椎椎間板ヘルニアなどです。坐骨神経痛は病気というよりは、先に挙げた病気によって生じる症状のことです。いずれも加齢が関係しています。ただ、加齢だけが原因のすべてではなく、体質や生活習慣も関係しています。
椎間板が関係する腰痛の場合、椎間板や椎間板の周囲にPRPを注射することで痛みの緩和が期待できます。近年注目されている、上臀(じょうでん)皮神経や中臀(ちゅうでん)皮神経障害に対してもPRP療法を行います。
腰や足が痛くて、病院に行きいろいろ検査しても、“異常はない”と言われていた患者さんの一部は、実は上臀皮神経や中臀皮神経障害であると言われています。これらの神経障害では、PRP療法の効果が期待できます。
●腰痛の原因が、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、腰椎椎間板ヘルニア、上臀皮神経や中臀皮神経障害であること。癌の転移、感染ではないこと。
●一般的な治療を行っていること(内服治療・外用治療・注射・リハビリ・装具)。
●痛み止めの注射が短期間でも有効であること。その上で、症状が辛いけど手術を避けたい方・あるいは手術するほど悪くないが活動レベルを維持したい方。
正しくは上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)といいます。脇を閉めて手のひらが見えるように腕を体につけた時に肘の外側が痛くなる病気です。物を持ち上げたときなどに痛みます。内服治療・外用治療、リハビリ、装具、ストレッチなどが対応方法に挙げられますが効果が少ないのが現実です。ステロイド剤の入った注射は効果が強いですが、数ヵ月してからの再発がよくあり、腱や皮ふへの影響、根治性が課題です。こういった患者さんに対してもPRP療法が対象と考えています。
●一般的な治療を行っていること(内服治療・外用治療・注射・リハビリ・装具・ストレッチ)。
●症状が辛いけど手術を避けたい方・あるいは手術するほど悪くないが活動レベルを維持したい方。
足の裏、踵近くのところが痛む病気です。時々は、踵寄りの内側から押さえても痛むことがあります。“足底腱膜”と呼ばれる組織が踵骨(しょうこつ)に結合する所で慢性的な炎症が生じることで痛みが起こります。難治性のことが多いです。ステロイド注射は強い効果がありますが、腱膜損傷や踵の脂肪委縮を生じることがあります。こういった患者さんに対してもPRP療法が対象と考えています。
●一般的な治療を行っていること(内服治療・外用治療・注射・リハビリ・装具)。
●症状が辛いけど手術を避けたい方・あるいは手術するほど悪くないが活動レベルを維持したい方。
肘など特定の部位を酷使すると、組織は繰り返し痛むことになります。軽症のうちは治る可能性が高いです。しかし、患部が治癒しない状態でスポーツを続けると、患部が“変性”してしまい、治る力がなくなってしまいます。スポーツ選手は十分な安静が大切とわかっていても、選手寿命や大会の都合上、“できるだけ早くの復帰”を強く望むことが多くあります。治癒力を高めるためにPRP療法を行うこともあります。スポーツ選手のPRP治療者は多くいます。米国では野球選手に対する肘の靭帯再建手術(トミー・ジョン手術やその変法)が広く行われています。この手術は優れた手術で、2000年以降に手術件数が急増しました。プロのアスリートが中心であった手術が学生レベルまで広がりました。靭帯再建手術件数があまりに増え、こういった状況が正しいのか議論になりました。そういった状況下でPRP療法の良好な成績が報告されるようになり、徐々にPRP療法が選択されるケースも増えてきています。
●難治性のスポーツ障害であること。
●早期のスポーツ復帰を望むこと。
●未成年の場合、保護者もPRP療法を望んでいること(同意書が必要)。
交通事故後に首や腰の痛みや頭痛、肩周囲の痛み・重さが持続する患者さんがいます。当院では、レントゲン検査やMRI検査などを行い、原因を徹底的に追求します。その一方、原因が判明しないケースもあります。様々な治療を行っても改善せず、3ヵ月経過したから、6ヵ月経過したからと保険会社から終了を通告されることがあります。保険会社による交通事故対応が終了すれば、泣き寝入りして諦めるか自費で治療をしなければなりません。こういった患者さんもPRP療法の対象と考えています。
●事故後に頑固な首や腰の痛みが生じていること。
●痛み止めの注射に一過性でも効果があること。
●自賠責での治療中であれば、保険会社の了解が得られること。
腱板断裂は、肩にある腱板という組織が裂けて起こります。けがで生じる場合もありますし、けがをしなくても加齢とともに徐々に腱板が劣化し、断裂します。PRP療法の主な対象は加齢とともに断裂した患者さんです。
●一般的な治療を行っていること(内服治療・外用治療・注射・リハビリ)。
●手術を避けたい方・あるいは手術するほど悪くないが活動レベルを維持したい方。