コロナワクチン接種、始めました

新型コロナウイルスの流行がなかなか収まらず、3回目の接種を済ませた方、検討されている方が多くいると思います。当院では令和3年の夏にワクチン接種を行いました。ワクチン接種率を上げるために桑名市などから協力の依頼があり、3月12日より再開することになりました。当院では、外来との調整が可能な日曜日、祝日を中心に行うことになっています。現時点では、5月上旬までを予定しています。 モデルナ社は3月20日、4月の各日曜日を予定しています。ファイザー社は供給状況により異なりますが、現時点では4月17日が接種日と決まっています。接種枠については、変化があります。今後、増枠がある場合はホームページ上でも掲載しますので、よろしければご確認ください。 接種会場の設営風景です。8:30から接種が始まります。

2022.03.13

3回目新型コロナワクチン副反応調査について

ワクチン接種3回目が行われています。2/10に当院職員を対象に3回目コロナワクチン接種を行い、副反応について調査しました。1回目、2回目のワクチンの副反応については令和3年5月13日と5月30日のブログで掲載していますので参考にして下さい。 当院での結果は、少数例の結果ですので、参考にとどめてください。 まず、当院ではファイザー社のワクチンを過去2回接種しました。3回目はファイザー組とモデルナ組に分かれました。  20代30代40代50代60代計ファイザー社5544321モデルナ社2471115計79115436 <副反応の頻度について> 【副反応の発生頻度】 副反応(3回目) ファイザー社(3回目) モデルナ社(2回目)(1回目)なし4%0%8%8%注射部位の痛み95%86%80%83%注射部位の痛み以外の副反応80%80%86%31%  過去と同様に副反応がない人はわずかでした。大半の人は注射部位の痛みが続きました。 【副反応の詳細】  ファイザー社モデルナ社発熱57%73%頭痛47%60%倦怠感57%73%腕が90度以上挙がらない38%33%注射部腫脹9%6% 院長は研究を多く行い、その成果を発表してきました。最終的に論文という形で、医学の進歩に貢献してきました。特に骨粗しょう症に関して作成した論文は、骨粗しょう症分野のトップジャーナルに数多く掲載され、世界中の人に読まれています。論文作成の時に学んだことは物の見え方には多面性があるということです。そして一流紙になるほど、研究デザインの優秀さ、データ解釈の妥当性、医学に与える影響などを厳しく審査されます。 今回の結果ではモデルナ社での3回目の接種の方が副反応の頻度が若干多いように見えます。ただし、この解釈には、注意が必要です。当院では、3回目にファイザー社を希望した人はファイザー社、モデルナ社を希望した人はモデルナ社、どちらでもいい方はワクチンのロスが出ないように2社を振り分けて接種しました。3回目にファイザー社選ぶ人はどのような人なのか、モデルナ社を選ぶ人はどのような人なのか、ここに偏りがないか考える必要があります。例えば、2回のファイザー社接種で副反応があまりなかった人が、3回目にファイザー社を選ぶ確率は高いと思います。逆にモデルナ社を選ぶ人は、過去のファイザー社接種で副反応が強く、モデルナ社であればもう少し軽いかもしれないという人、より高い予防効果を期待している人などかもしれません。院長は高い治療効果を求めモデルナ社を選択しました。院長は、注射部位痛はありましたが、大した副反応はありませんでした。注射部位の痛みは1回目や2回目の方がむしろ強いくらいです。ただ、院長は副反応を感じにくいだけかもしれません(それに院長は予防的に痛み止めの内服をしていましたので、副反応が出にくかっただけかもしれませんが…)。様々な思いが交錯してワクチンが選ばれています。また、院長の場合、最良の選択をしているという思いが副作用を感じにくくしている可能性すらあります。そのため、結果だけを見ても、その結果が正しく事実を伝えているかはわかりません。また、肝心の両社のワクチンの効果がどこまで異なるのかも、現時点でわかりません。 研究に対する解釈に注意がいることと似たことは、身近な所でもしばしばあります。例えば、塾の合格実績です。ある日、受験生の子供を持つ母が広告を見ました。そこにはA塾とB塾の広告がありました。A塾では、〇大学に10名合格していました。B塾では1名合格していました。A塾の教育がB塾に比べて優秀かどうかは、一概には言えません。例えば、A塾は厳しい入塾テストがあり、そもそも入塾することが難しければどうでしょうか?また、高校受験の時の偏差値が同じC高校とD高校があったとします。C高校からは〇大学に毎年10名合格、D高校からは5名合格とします。これもどちらが優秀かわかりません。もしかしてC高校の定員はD高校の3倍という場合もあるからです。 医学研究では実に多様な要素が混じり、ある一面の切り口のみで比較しようとしても、背景が異なってしまうために、結果をすぐに事実と言いきれないことがあります。異なる研究で同様の成果が得られてこそ、より信じるに足りる研究成果になると思います。 副反応は職員さんの訴えをもとにしています。以前のブログでも書きましたが、注射後の調査をすれば、調査がなければ気にならないようなことでも体調不良と自覚する傾向があります。ワクチン接種される方におかれては、副反応の知識も大切ですが過敏になりすぎないようにして頂いたらと思います。 当院でも3月下旬より3回目コロナワクチン接種を開始します。もしよろしければ、当院での接種を検討して下さい。

2022.02.21

新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を行いました

当院スタッフの3回目接種を行いました。この1週間の外来では、“3回目の接種終わったよ“や”2月○日に3回目の接種だよ“という話を伺うようになりました。現在、ワクチン供給が十分ではなく、接種券の準備もあり3回目のワクチン接種が進みにくい状況にあります。特にファイザー社のワクチンは供給が不十分な状況が続いています。そのため3回目は交差接種も選択肢の一つとなっています。 交差接種の方が、抗体量が増え、効果が高い可能性を示唆する研究結果もいくつか報告されています。現在、桑名市の医療従事者の注射は、ファイザー社が主ですが、希望があればモデルナ社のワクチンも注射できます。ファイザー社のワクチンが特に不足しているため、当院では職員の方に交差接種を希望する人、交差接種でもよい人を募り、できるだけファイザー社のワクチンを希望される方に届くように調整しました。院長は、研究や論文が好きですので、その結果に基づき、感染予防や重症化予防にモデルナ社を用いた交差接種の方が高い効果があると考え、またファイザー社のワクチンを希望される方に接種して頂けるように、モデルナ社のワクチンを接種しました。 交差接種について、心配の声も聞かれます。ただ、インフルエンザワクチンは、4つのウイルス型に対して作られた4種類の抗体を混ぜた4価ワクチンです。また、子供の頃に打つ3種混合ワクチンや4種混合ワクチンは、全く異なる病気に対するワクチンを3種類ないし4種類混ぜて1回で注射しています。しかも3種混合や4種混合は生後3カ月から接種可能です。こういったワクチンは以前からあるために当たり前になり、違和感なく接種している方、保護者も多いと思います。交差接種が問題になった時に、交差接種よりもっと過激なインフルエンザや3種混合ワクチンが導入された時はどういう風だったのだろうか?と思っていました。 最後に院長の学術的な興味について触れます。コロナのワクチンを同時に2種類や3種類注射したら効果はどうなんだろう?と思っています(勿論、メーカーの異なるコロナウイルスの同時接種は、現時点ではできません)。新型コロナウイルスの流行型は変わります。ワクチンはメーカーにより内容が異なります。多くの種類のワクチン接種した場合、それにより作られる抗体に多様性ができるように思います。多様な抗体がある方が感染予防に役立つ可能性もあります。こういったことが、今後の研究で明らかになると、より効果的なワクチン接種方法が分かるかもしれないですね。最後の方はあくまで院長の個人的見解ですのでご理解ください。 なお、当院での一般者向けのワクチン接種は、ワクチン供給が十分される状況であれば4月以降の日曜日を考えています。その際にはホームページで告知します。日曜日の接種会場は少ないですので、気になる方は確認お願いいたします。

2022.02.10

全国講演会がありました

様々な製薬メーカーから講演会の講師の依頼を頂きます。時間の許す限り引き受け、1年間で20回以上担当させて頂いています。コロナ禍で人が集まって行う勉強会、講演会は少なくなっています。また学術集会もWeb形式を取り入れることが大半で、コロナの流行状況を見ながら対面式も併用する場合が多くなっています。 今回は、全国講演会と呼ばれるWeb講演会でした。講演会の規模は様々ありますが、今回は全国講演会という形式で、主催するメーカーが多くの方に視聴して頂くために、様々なコンテンツなどでアナウンスをして頂きました。対象者も医師、看護師、薬剤師など幅広い職種でした。そのため、内容も幅広いものを準備しました。今回の講演会の参加者は1300名以上と盛況でした。 参加者からの質問も多く頂きました。毎年、1、2回は全国講演会講師を担当しています。今年はあと2回予定されていますので、それに向けて勉強しようと思います。 配信会場の様子 配信会場の四日市都ホテルで専門の業者さんが配信の準備をして頂きました。感染予防のため広い部屋に数名しかスタッフはいませんでした。

2022.02.03

2021年の活動について

本年も新型コロナの影響を強く受ける一年となりました。新型コロナ感染患者さんが増えるとともに、その病態についても徐々に判明してきました。現在分かっていることは、①重症者や死亡者は高齢者に多いこと、②変異株が次々に生じること、③ワクチンの有効性はある程度あること、などだと思います。たまに、最近の感染者はワクチン接種が多いというコメントを見ますが、日本人の約8割はワクチン接種者です。現時点でワクチンを接種していない人には、ワクチンの対象者になっていない小児がある程度含まれています。小児の場合、感染していても検査すらされず、そのため診断がされていないケースも多くあることが想定されます。そうなると、ワクチン未接種者で検査を受ける人はその人口自体が少ないですから、感染率が高くても感染者数は少なくなります。 またワクチンも開発され、完全ではないですが積極的な予防もできつつあります。今後は治療薬についても徐々にできるでしょうから、よりコロナと戦う体制が整うと思います。今後、3回目の接種が進んでいくと思います。院長は、同一メーカーでの3回接種した場合と異なるメーカーを組み合わせた3回接種した場合とどちらの予防効果が高いのか、あるいは副反応はどうなるのか気になるところです。 さて、クリニックについてです。冬になり、気になる病気・ケガが2つありました。一つは前十字靭帯損傷、もう一つは腰椎分離症です。啓発を込めて病気について説明します。 前十字靭帯損傷は膝に生じるケガです。人と交錯して生じることもありますが、スポーツなどで膝を捻って負傷します。直後から痛くて動けない人もいれば、歩ける人もいます。時間と共に膝の中に血が溜まってくることが多いので、数日で膝も痛くなり動きにくくなります。その後、徐々に膝にたまった血もなくなってきますので治ってきたように感じます。前十字靭帯がないと、膝がぐらつくために、スポーツをしているとガクッと膝がずれる・外れる感じが出ます。前十字靭帯は膝の安定性に大切です。そのため損傷したままにしておくと、半月板という他の組織も損傷を引き起こし、将来、膝の変形が出現する確率が高くなります。前十字靭帯損傷は問診や膝の中の血を確認することで、損傷を強く疑うことができます。可能ならMRI検査、症状が引けば徒手検査をして最終診断します。基本的には手術が強く勧められます。 もう一つが腰椎分離症です。腰椎分離症は主に学生さんの世代に起こる、腰の疲労骨折です。スポーツをすると腰痛が出て、休むと改善します。この病気の大切な点は、早期診断が極めて大切なところです。レントゲンで分離症が分かる段階になってしまうと、かなり進んでいる時期で、そこから治療しても疲労骨折の骨癒合が得られる確率は低いです。そのため、レントゲンでは診断できない時期に診断することが大切です。では、どのように診断するか?ということになります。前述した前十字靭帯損傷と異なり、腰椎分離症は、問診を用いた診断は難しい病気です。腰椎分離症は、MRIやCTを行うことで早期診断します。早期診断ができればコルセットを用いた治療を行います。 二つの病気ともに、知識をもとに疑うことが診断に大切です。また診断や適切な対応が、その後の経過に影響します。 クリニックは開院以来、より利便性が高まるように適宜工事をしております。建屋そのものを大幅に変更する工事は、様々な制約がありできません。本年12月には、駐車場の増設が行われました。駐車場が9台増設され58台に駐車が可能となりました。コロナ禍で、院内で待つより車内で待つことを希望される方も多くいます。できるだけ早く診察させて頂けるよう工夫していきますが待ち時間を車内で過ごされたい方はスタッフまで声をかけて頂けましたら幸いです。 最後に、学術的な活動についてです。本年は20回の講演会の講師を担当しました。主に骨粗鬆症に関しての講演会です。コロナ禍の現状ではWebを用いた講演会が主で、なかなか対面形式で開催できないのが残念ですが、講演会を通して多くの先生と討論することは刺激になります。また、和文ですが、論文が1編発表されました。依頼原稿と呼ばれる形式のものです。これは、骨粗しょう症に関し著明な先生から内容が指定されたうえで原稿の作成依頼がありました。院長はSERMと呼ばれるグループの解説を担当しました。順調に行けば来年も1編、整形外科雑誌に掲載される論文があります。和文の論文も大切ですが、より大切なのは審査がより厳しい英語論文です。今後、英語論文でも評価されるような内容で、論文を作成していきたいと思います。

2021.12.31
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